【A】
軋む籠の中 堕ちてゆく幻
無情なる針は 時を刻み続けて
愚かな私は 夢から出られずに
やがて来る悲劇を ただ……見つめていた

【B】
遠い日の記憶 幼気な約束
ただ無邪気なまま 寄り添っていられた
光に溢れた 満たされていた日々
まだ知らずにいた “幸せ”だったことも

【C】
あの日閉ざされた 瞳が映すのは
救済(すくい)ではなく 抗えぬ運命(シナリオ)
籠の鳥の小さな翼(て)に ねぇ 何が出来るの?
自由に羽撃くことさえも 許されてはいないのに

【D】
いつしか無くした『あの頃の光』 いつしか奪われた『触れた手の温もり』
いつしか手にした『力と代償』 いつしか囚われた『碧空(あお)の牢獄』

【C】
あのとき歪んだ 誓いの口吻は
二人の未来を 永久(とこしえ)に隔てた
籠の鳥の歌う詩(あす)に ねぇ 何を望むの?
自由に歌う声ですら 私は持ってはいないのに

【E】
ただ彼女(あのひと)が微笑うなら それだけで私は……

【F】
やがて言葉(ことのは)が刻んだ
解放? 絶望? 終幕? 断章?
終焉を担うのは運命(さだめ)に逆らう少女の剣
逃れ得ぬと知りながら
ああ 空はこんなにも残酷に澄んで――

【A】
軋む籠の中 堕ちてゆく幻
無情なる針は 時を刻み続けて
愚かな私は 夢に縋ったまま
いつか見た悲劇を ただ……



***
読み

【A】
きしむ かごの なか おちてゆく まぼろし
むじょうなる はりは ときを きざみつづけて
おろかな わたしは ゆめから でられずに
やがて くる ひげきを ただ みつめていた

【B】
とおいひの きおく いたいけな やくそく
ただ むじゃきな まま よりそって いられた
ひかりに あふれた みたされていた ひび
まだ しらずに いた しあわせだった ことも

【C】
あのひ とざされた ひとみが うつすのは
すくいではなく あらがえぬ しなりお
かごの とりの ちいさな てに ねえ なにが できるの
じゆうに はばたく ことさえも ゆるされては いないのに

【D】
いつしか なくした 『あのころの ひかり』 いつしか うばわれた 『ふれた ての ぬくもり』
いつしか てにした 『ちからと だいしょう』 いつしか とらわれた 『あおの ろうごく』

【C】
あのとき ゆがんだ ちかいの くちづけは
ふたりの みらいを とこしえに へだてた
かごの とりの うたう あすに ねえ なにを のぞむの
じゆうに うたう こえですら わたしは もっては いないのに

【E】
ただ あのひとが わらうなら それだけで わたしは

【F】
やがて ことのはが きざんだ
かいほう ぜつぼう しゅうまく だんしょう
しゅうえんを になうのは さだめに さからう しょうじょの つるぎ
のがれえぬと しりながら
ああ そらは こんなにも ざんこくに すんで

【A】
きしむ かごの なか おちてゆく まぼろし
むじょうなる はりは ときを きざみつづけて
おろかな わたしは ゆめに すがったまま
いつか みた ひげきを ただ

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい
  • オリジナルライセンス

碧空の絶園(仮題)

某サークルにて物語音楽CDを作成予定なのですが、それ用の歌詞を考えているときに書き殴った習作。
一先ず書き上げてからメロディラインに合わせるべく修正作業をしていたら、なんだかだんだんイメージが違ってきたので、こいつはボツにして作り直すことに。
そのままお蔵入りというのはさすがに切ないので、ピアプロに上げることにしました。

曲をつけて頂ける場合は作曲者様のご意向に従い全体的にアレンジ・ブラッシュアップなど予定しています。
出来れば物語音楽として、シリーズ化していけたりすると理想です。

【D】部分の『』は、別メロで掛け合いのように歌うか、もしくは台詞として被せるように入れるイメージです。
【E】は歌ではなく台詞、【F】も歌ではなくナレーションとしてもいいかもしれないなと。

閲覧数:322

投稿日:2014/03/10 12:55:08

文字数:1,304文字

カテゴリ:歌詞

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