オリジナルのマスターに力を入れすぎた結果、なんとコラボ(2人)でお互いのマスターのお話を書けることになりました!
コラボ相手は、カッコいい素敵なお姉さんの生みの親、つんばるさんです!
上記の通り、私とつんばるさんのオリジナルキャラ(マスター)が登場します……というか、マスター(♂)×マスター(♀)です。
そして、ところによりカイメイ風味ですので、苦手な方は注意してください。
おk! という方は……。
(つ´ω`)<ゆっくりしていってね!>(・ω・春)
*****
静かなのは声だけじゃない、アキラの目も、ただ俺をじっと見据えていた。
けれど俺には、その目が、声が、酷く恐ろしいものに思えてしまって。
続く言葉に、頭を殴られたような気がした。
「悠サンが知っているそういった女の子たちと、私も同類だと――そう思っているのに、気をもたせるようなことを言ったのかい」
アキラが? 俺の知る……俺の恐れる女と同類? そんな事があるものか。
どうせ女なんて皆同じ、確かにそう思っていた時期もあった。ひねて、荒れて、やさぐれて、一度はマトモな道から外れさえした。
だがそれは昔の話だ。それに、仮にまだそう思っていたのなら、その女の中でたった1人を好きになれるものか。
「ちが、そんなつもりっ……!」
「落ち着いて、悠サン。私があんたを否定しようとしている、とか、へんなこと考えないで聞いてもらえるかな」
慌てて否定しようとして、アキラがそれを遮る。
なだめるような声音に、不思議と、頭がすっと冷えていく。
聞いてほしい、彼女はそう言った。ならば俺は、その彼女の言葉を、大人しく聞くべきだろう。
弁解するにしろ、逃げるにしろ……その後でも、遅くはないはずだ。
―Grasp―
悠編 第十四話
俺が、なんとか気持ちを落ち着けて、アキラの目を見て、話を聞く姿勢をとったのを確認すると、アキラはふうっと溜め息を吐いた。
すぐに何かを言うわけでもなく、しばらく考えていたようだったが、やがてゆっくりと口を開く。
「今回は私がわるかった。謝るよ。ごめんなさい」
唐突な謝罪に、俺は少し驚く。
何を謝ることがある。そんな事があったか?
一瞬、自分がさっきまで考えていた事柄も忘れて、これまでの事をざっと思い返す。が、これといって思い当たるものはない。
さらに記憶を辿ろうとしたが、それは続くアキラの言葉で中断された。
「付き合ってどうしたい、なんて、いじわるな質問して、すまなかったと思ってる。正直、私は付き合うとか付き合わないとか、好きとか嫌いとか、よくわからない」
「なんだ、それは。彼女いない歴が年齢の俺に対するあてつけか」
「そんなつもりはないよ」
ああ、そんな事か。謝るほどの事じゃないのに。アキラにとっては訊くだけの価値のある事だったんじゃないのか。
そう思って気が抜けたからか、抗議とも軽口とも取れるような言い方をしてしまったが、アキラはいたって真面目にそう返した。
「ただ、前にお付き合いした人は、私が想像通りの女じゃないとわかると身体しか求めてこなくなったからね」
さらりと出てきた言葉は、皮肉っぽく聞こえた。
俺には、女遊びをする男の気持ちはよくわからないが……アキラが前にお付き合いした人とやらのした事が、ほめられた事ではないくらいはわかる。
どこか硬質な表情で、それでも彼女はするすると言葉を紡ぎ出す。
「悠サンはそういうひとじゃないと思う。だけれど、私は、誰の想像以上にも臆病なんだよ」
少し前なら、そんな事ないだろうと、間髪を入れずに返していただろう。アキラが臆病だなんて、そんな事は思い付きもしなかっただろうから。
だが、つい先ほどの、玄関先での事を思うと、否定する事はできなかった。
必死で俺を拒絶しようとしていた彼女が、何も恐れていなかったなんて……何故自信を持ってそう言えるのだろう。
「ごめんね。私はきっと悠サンの思ってるような女じゃない」
「――それがお前のいいとこだろ」
何かに失望したような、疲れたような声に、俺は思わずそう言っていた。
俺は馬鹿だ。
自分の事に溺れて、目の前にいる人間をほったらかしていたなんて、どうしようもない馬鹿だ。もう10年前の事は考えないと心に誓った、そのはずだったろう。
結局また引っ張り出して、浸って、そんな自分が一番しょうもなくて情けないのだと、何故気付かなかったんだ、この大馬鹿者が。
……ごめんな、あんなひとりよがりな話は聞きたくなかったかもしれないのに。辛いのは、俺だけじゃないってのに。
また勝手に閉じこもってしまっていたなんて、余計な気を使わせてしまっただろうか……傲慢だな、本当にすまん。
だから、大人しく聞いているつもりだったんだが……悪いな、我慢できん、言わせてもらう。
「俺の予想を裏切る。俺の思考の斜め上を行く。しかもそれが天然だ。俺がどれだけお前のこと考えても太刀打ちできないのが、俺の知ってる『東雲晶』」
俺の思ってるような女じゃない?
そんな事、最初からわかっている。
「俺が思ったような奴じゃないからって、今更嫌いになんかなるかよ」
お前のそういうところが、好きなんだから。
俺の言葉に、さっきまでの妙なほどに大人びた冷静さはどこへやら、アキラは、怖々といった表現が合うような顔で、こちらを見返してくる。
「……悠さんにとって都合のいい人間になんかなれないよ?」
「そんなの求めてねえよ」
「かわいくないし、悠サンのことコケにするし、全体的に失礼だし、その、他にもいろいろ……」
「今にはじまったことじゃないだろ」
「絶対絶対後悔するよ、とんでもないやつに手を出したって」
「お前がとんでもないやつなのは百も承知だ」
「嫌いになったら嫌いになったって言ってくれていいんだからね」
「ああ、当分飽きないから問題ない」
「……でも」
次々と投げかけられる言葉の数々に、ほとんど即答といっていいほどのタイミングで応えを返す。
それでもなお、何か言いたげなアキラに、今度は俺から声をかける。
「なんでそう不安そうなんだ。たまには人にすがったっていいんだぞ。俺じゃ不満か?」
それを聞いて、アキラは一瞬ぽかんとした顔をして、ふ、と表情を崩した。
「……かっこつけて何言ってんだか。不満もなにも、こんなにボロボロの状態のやつに、私が守られたままでいるとでも思っているの?」
「う」
「呆れたひとだね、悠サンは」
返す言葉もない。なんせ、自分で自分に呆れているほどだ。
その時の俺はどんな顔をしていたのか、アキラはこちらをちらりと見て、少しだけ笑った。
「――悠サンは、ほんとうに私のことがすきなんだね」
「お、おう」
「私も、悠サンはきらいじゃない」
しばらく間を置いて聞こえてきた声は、とても穏やかで。
不意を突かれて思わず応じた俺に、アキラは呟く。
「悠サンの傍は居心地がいい」
聞き間違いかとも思ってしまいそうだった(と言うと怒られそうなので絶対に言わない)が、そう言った彼女の目は、優しくも真剣な光を宿していて。
ぞくりとするほど、綺麗だと、思った。
「そ……そういえば、家に連絡しないと、あいつらに心配かけちまう……」
「ああ、その事なら、かいとくんとめーこさんが美憂先輩にメール打ってくれたよ。家の方には美憂先輩から連絡がいくだろうから、心配しなくていいんじゃないかな」
話題を変えようと、いささか苦しい切り出し方をしたが、あっさりとそう返ってくる。
わざわざ美憂に連絡しておいてくれたのはありがたい、が……複雑な気分だ。
……まぁ、いいか。
「悪いな。助かるよ、ありがとう。……ところでアキラ」
「何?」
「1つ、発言の撤回を要求する」
きょとんとした彼女に、俺は意地悪く笑いかけてやる。
「自分で自分を可愛くないなんて言うな。心配しなくても、俺から見たら充分可愛いから」
「なっ……なに言ってんの、べつにしんぱいなんかしてない! んな歯が浮くような似合わないセリフ、言ってて自分で恥ずかしくないのか!」
「事実だしな」
かぁっと顔を赤くして怒鳴ったアキラに、俺はしれっとそう切り返した。
「っ、ばか!」
「何とでもどーぞ」
そうだとも、馬鹿じゃなきゃこんな事言わない。
……そういうとこが可愛いっていうのに。やれやれ。
【オリジナルマスター】 ―Grasp― 第十四話 【悠編】
実は前からこっそりそういう事を考えていたんですが、なんとコラボで書ける事になってしまった。
コラボ相手の方とそのオリキャラさんが素敵すぎて、緊張しております……!
わっふー! どうも、桜宮です。
悠さん、諭されて諭してちょっと本気出す、の巻。
微S説が出てきましたので、ついw←
場面が場面だけに、気にしてませんでしたが、今回の悠さんでれっでれですね……(苦笑
そんなに好きか、そうかそうか(によによ←
最近、彼のデレ具合が私の想像を越えかけてます。私をによによさせてどうするんだ、別にいいけどもw
つんばるさんが無事に戦場を切り抜けたようで、良かったです^^
お疲れさまでしたー。これからまた頑張っていきましょう(`・ω・´)
アキラ編では、後輩さんがちょっとだけデレ……うふふ(*´∇`*)←
そちらの方もぜひ!
東雲晶さんの生みの親で、アキラ編を担当しているつんばるさんのページはこちらです。
⇒http://piapro.jp/thmbal
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