【幻想世界ノベルアドベンチャーモード。選択肢でアンパンをGETせよ】

 幼馴染みのミクちゃんが、どこか切なそうな顔をして僕のことを見ていた。それは、なぜかと言うと僕たちは今、イバーノの町とゆう場所のパン屋さんでパンを買おうとしているからだ。
 誰が自分の希望するパンを食べて、誰が希望しないパンを食べるかと言う瀬戸際に立たされている。下手をすると仲間関係が破壊されてしまう恐れがあるかもしれないんだ。

「僕が本当に好きなモノってさ…そっそれは……アンパンだよ」

「ううん…違うよ……。レン君はね、アンパンよりコッペパンが好きだって私には聞こえてくるの。だってコッペパンからも、其方に届かない小麦魂、二人で愛を謳えど憂きなりしジャム&マーガリン……って唄っているんだよ」

「……」

 フシギちゃん系なことを言いだしたミクちゃんに、僕はなんて答えようか?。


そんなの幻想だよ!←SERECT
コッペパンが歌っていたの?


「そんなの幻想だよ! 食べ物アイテムのコッペパンが謳うはずなんかない」

「でもコッペパンはね……Was yea ra melenas,en yanje yanje..eterne pitod yor...ってレン君に伝えているの……」

「????」

 途中でナニか英語? の部分が出てきたけど、僕には理解できなかった。ただ…僕がひとつわかるのは、バレると危険な道《ネタ》に走っているのは確かだと思う。
 たぶん、色んなヒトから怒られてしまうだろう……不安だ。

 さて、なんて答えようか?。


それでもアンパンが食べたい!←SERECT
じゃあ、コッペパンにしようか


「僕はそれでもアンパンが食べたいんだ! コッペパンなんか地味なパンじゃないか」

「!?!?」

 ミクちゃんは僕からの言葉を聞くと、瞳に涙を浮かべていた。まるで自分のことを言われたかのような反応だった。静かに頬を伝っていく彼女の涙は、少し大人っぽくみえて、それが美しく思えてきたんだ。

 でも…なぜだろう……僕はコッペパンのことを地味だなんて凄く罵ってしまったのに、なぜか…なぜか…胸の苦しみが襲ってきてしまう。
 これは切なさからくるモノなのか? まさか!…いらないと言ってしまったコッペパンの気持ちが僕に伝わってきてしまい、それがアンパンとコッペパンのどちらかを選択することにジレンマを生んでしまったのか?。

 まだ体験したことのない心苦しさ、まだ体験したことのない片思いをされてしまった側の気持ち…それが僕を苦しめていく……。
 ただ…パンを選ぶという選択肢なのに、ヒトはこうやって大人になっていくんだ。

 独りパン屋さんの前で打ち拉がれる僕は、涙を流させてしまったミクちゃんのことをみた。彼女はさっきまでの涙は嘘だったのか? いまは満面の笑みになってメロンパンを頬張っている。

「カレーパンはやっぱり、美味しいわね〜っ♪」

「うんうん、メロンパンも美味しいよリンちゃん。あっ! レン君、コッペパンだけどパン屋さんのおじさんがイチゴジャムくれたよ♪」

「あ…うん、ありがとう。パン屋のおじさん、ジャムもオマケしてくれたんだ」

 やられた……と思って冷静沈着になるとミクちゃんは姉と2人して、自分の食べたいパンを満足しながら完食していた。
 僕はコッペパンの真ん中を割ってイチゴジャムを垂らしていき、この幻想世界は食べ物アイテムを使って友情破壊ゲームが可能なんだと人生の勉強ができたことに感謝している。

 ああっ…はやくクエストしないとな……。

【コッペパンEND】

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G clef Link イバーノの町でクエスト11

子どもうちにコッペパンをたくさん食べよう!
大人になるとコッペパンは簡単に食べられなくなるぞ!

次話
https://piapro.jp/t/fcLj

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投稿日:2020/01/02 21:08:15

文字数:1,502文字

カテゴリ:小説

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