迷い込んだ森の奥 耳に届くは綺麗な歌声
その声だけを頼りに 少年は足を進めた
鼻を擽る木々の香り 頬を引っ掻く木の枝 掻き分けて
帰り道も分からずに 少年は奥へ進んだ

ラララ
長く波打つ髪 しなやかな体 閉じた瞼で何を想う?
ラララ
速く高鳴る胸 火照ゆく頬で 少年はこの感情に気づく
「あぁ、恋したんだ」

夢のように愛おしく 少女は狂おしく歌う
木陰で見つめる少年をよそに 一人 華やいだ歌を
気づかぬ存在 ありふれた感情
落ちた恋は元に戻れない
少年は想う 箱庭で歌う彼女(エレナーデ)を


通いこんだ森の奥 心で想うは綺麗な少女
何度 陰で見続けた? 少年は一人決心する
「今日こそあの子に 声をかけよう」 花束を手に
止まる事を知らない 心臓を抑えて進み行く

ららら
聴こえない声 静かな森 それは閉じた世界のようで
ららら
速く高鳴る胸 冷めていく頬 少年はその光景を目にした
「あぁ、愛してたのに」

夢のような日々でした 少女は静かに横たわる
涙を流す少年をよそに 一人 眠るように
落ちた恋は元に戻れない
少年は想う 箱庭で眠る彼女(エレナーデ)を


愛のような感情も 苦しく想ったあの夜も
全部全部 消えさるのでしょう ひとつ 残すことなく
気づいていた 少年は気づいていたのです
落ちた恋の行方さえも

少年は語る 箱庭で歌う彼女(エレナーデ)を
少年は歌う 箱庭で聴いた恋の歌(セレナーデ)を

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

箱庭エレナーデ

ある場所に深く生い茂る森がありました。
旅をしていた少年は、その森で迷い込み ひとり歌う綺麗な少女に出会います。

彼女の名前は「エレナーデ」。本当の名前かどうかは知りませんが、森に住む小鳥たちが少女のことをそう呼んでいました。

エレナーデは白い瞼を閉じ、何かを想って恋の歌を歌います。
森で迷い込んでいた少年は、その姿を見つめました。

そして、恋というものに気づいたのです。

少年は、それから毎日 エレナーデに会うために森の奥へと通いました。
エレナーデは誰とも会話をせず、ただ歌い続ける不思議な少女。
そんなエレナーデにますます惹かれていく少年。


ある日、少年は決意します。
「そうだ、エレナーデに話しかけよう」
と。ずっと、想い続け、話しかけることを怖がっていた少年は綺麗な花を摘み花束にして、エレナーデに会うために森の奥へと進みました。

森の奥へ進む少年は異変に気づきました。
エレナーデの美しい歌声が、聴こえないのです。

そして、少年はいつもの場所で白い瞼を閉じて歌うエレナーデが
静かに横たわる姿を見て、涙を流すのです。



エレナーデが、何故 眠りについたのか。
それは私にも分かりません。
少年はその後、エレナーデのことを知ってもらうためにと旅を再開させ、街や村でエレナーデのことを想い歌い続けました。

私の考えですが、少年はエレナーデのことを知ってもらうために歌うのではないと思います。
彼は、きっと、エレナーデのことを忘れたくないのでしょう。




ほら、今日も彼が歌う恋の歌が聴こえてきます。
ねぇ、エレナーデ?



―――

物語風にしたかった。

ミクじゃなくても、リンでもレンでもルカでもメイコでもカイトでもがくぽでもGUMIでもUTAUでも。

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投稿日:2011/03/08 22:34:48

文字数:612文字

カテゴリ:歌詞

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