「ねえ……私、デート誘われちゃったんだけど」
ある日の昼休み、目の前の美少女が言った。
何ですって?
デート?
「……誰と?」
隣のリンが美少女―――ミクに尋ねる。
「聞いて驚け、初音ミクオよ」
にっと笑って、(あんまり無いけど言うと怒る)胸を張ってミクは答えた。
あんまり驚かなかった。あいつがミクを好きなのはうすうす気付いていたし。ていうか、鏡音レンに教えてもらったし。
「……誰だっけ」
「こら、リン。クラスメイトでしょ、名前と顔くらい覚えてなさい。……ミク、早くない?」
アタシはミクに訊いた。
「そう思ったんだけどね。ほら、断る理由もないし? それに多分、初音くんはレンと仲がいいから、ねぇ」
「ミクと鏡音くんのことを考えてミクを慰めようと?」
ミクの言葉にリンが返す。「そうじゃない?」と机に頬杖をついてミク。
「ミクちゃんが嫌じゃないんだったら、何にも問題は無いと思うよ。多分」
「だけど、周りがどう思うかは分からないよ。特に女子からの」
リンの言葉を繋げてアタシは言った。
そう。鏡音レンも初音ミクオも、見た目はいいし、やたら女子から人気がある。ミクが鏡音レンと付き合っている、という噂が流れたときも、確か女子が騒いでいた気がする。
「あはは、見られたら何言われるかわかんないね」
「ミクちゃん、他人事みたいに言うんだね」
ミクの言葉に、リンは笑った。
「ま、ミク次第だよ。ミクがいいって言うんだったら、それでいいと思うし、何かあったってその時だよね」
締め括るように、アタシは言った。うん、とミクが頷く。
「私よりさ、リンちゃんだよっ。どっちかって言うと、そっちの方が重要な気がするよ!」
ミクが身を乗り出して言った。
「え……。そんなこと言われても……あれ以来、何も話してないし、避けちゃうもん! 本、まだ返せてないし」
慌てたようにリンが返す。
「気まずいのはわかるけど、ハッキリさせておくべきじゃない? ほら、丁度ミクとのことも一件落着したわけだし。今がチャンスだよ」
アタシが言った。
「そう、だね。うん」
リンが答えた、その時。
「リンさん。今日の放課後、いい?」
アタシ、リン、ミクの視線が声の方向に集まる。鏡音レンがいつもより(知らないけど)真剣な表情をしていた。
「え……っ。あ、あ、うん」
少し驚いてはいたけど、ハッキリとリンは返事をした。それから、鏡音レンは自分の席へと戻っていく。
「じゃ、私も、お昼休み終わるし、教室戻るね!」
がたんと席を立って、教室をミクは出て行った。
昼休み終了を告げるチャイムが鳴った。
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