少し口寂しい時に
思い出しては 手をのばす
噛めば噛むほど 薄れてく味
噛めば噛むほど 薄れるキモチに


安いチューインガムのような
近くの手軽な慰めを
百円足らずで手にしては
空腹紛らすため 噛み締める

噛めば噛むほど 広がる甘さ
噛めば噛むほど 蘇るもの


少しの余韻に浸りつつ
誰かが歌う歌詞に載せては
『今日のお味は、イチゴ味』
何度も何度も噛み締め味わう


『後悔なんて益ない』と
誰かが言ってた上等句
身振りでうなずき、わかったフリで
気付けばいつも 口にしている

噛めば噛むほど 癒されるような
噛めば噛むほど 慣れてくような


段々味気なくなって
もっと欲しいと、さらにほお張る。
なのに空腹増してくばかり
ひもじい気持ちも増してくばかり


『こんなつもりじゃないのに』と
今更何を悔やむのか
だけど捨てるに捨てられなくて
また歌を聞き、噛み締める


口に残った 粘着物質
銀紙に包んで ごみ箱へ
飽きてそうしてしまうまで
もう少しだけ 噛み締めてたい


少し口寂しい時に
思い出しては 手をのばす
噛めば噛むほど 薄れてく味
噛めば噛むほど 薄れる想いに

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

チューインガム

個人的に気に入っているテーマです。

何度反芻しても薄れる記憶と、チューインガムの味をくっつけてみました。

閲覧数:111

投稿日:2010/03/31 19:33:49

文字数:497文字

カテゴリ:歌詞

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