迫る東の空 ゆらゆらと
波に追われ 消えてゆく
どうか行く末に口接けを
小夜啼鳥のように

涼しくなった肩を抱き 遠い君を望む
燹の灯り映った 地に背を向け

運命は唄いだす きりきりと
絡繰りの累年を捨てて
どんな夢よりも射干玉な
世界に涙した

鼓動が音を立て棹差せば
傾ぐこころ進みだす
因 白波に轍なし
何を辿りゆこう

君の名前を断ちて 黒髪は散らばる

(間奏)

この星に はぐれゆく
幾通りの虫の鳴き声が
また契りあう季節まで
さよならと手をふる

(間奏)※コーラス

夜降ちゆく船は くるくると
兆す空を待ちわびる
どんな夢よりも鮮やかな
満天に凭れて

鼓動が音を立て棹差せば
傾ぐ思い進みだす
因 白波に轍なし
何を辿りゆこう

千の海を糾い 東雲は散らばる

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せまるひがしのそら ゆらゆらと
なみにおわれ きえてゆく
どうかゆくすえにくちづけを
さよなきどりのように

すずしくなったかたをだき とおいきみをのぞむ
せんのあかりうつった ちにせをむけ

さだめはうたいだす きりきりと
からくりのときをすてて
どんなゆめよりも ぬばたまな
せかいになみだした

こどうがおとをたて さおさせば
かしぐこころすすみだす
よすが しらなみにわだちなし
なにをたどりゆこう

きみのなまえをたちて くろかみはちらばる

このほしに はぐれゆく
いくとおりのむしのなきごえが
またちぎりあうきせつまで
さよならとてをふる

よぐたちゆくふねは くるくると
きざすそらをまちわびる
どんなゆめよりも あざやかな
まんてんにもたれて

こどうがおとをたてさおさせば
かしぐおもいすすみだす
よすが しらなみにわだちなし
なにをたどりゆこう

せんのうみをあざない しののめはちらばる

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

因(よすが)作曲者:kumasu様

kumasu様への応募作品
https://piapro.jp/t/D1hv

因(よすが)…安心して身を寄せるよりどころ
燹(せん)…兵乱によっておこる火事
累年(るいねん)…年を重ねること(ここでは「とき」と読んでます)
射干玉(ぬばたま)…黒髪や夢、夜などにかかる枕詞
棹差す(さおさす)…水棹を操ること。時流に乗る、又は逆らうこと
夜降ち(よぐたち)…夜更け
糾う(あざなう)…絡むように交え合わせる

テーマが旅立ちや夏の終わりということを焦点に、旅の中でも舟が似合うような気がするなと考えた結果、このような詞が出来ました。曲を聞いてすぐに和な匂いの柔らかさや力強さ、切なさを感じて「好き!!」と惚れ込みました。

内容としては戦火から逃れるために一人船を出された少女が、その身分を隠すために髪と一緒に過去や未練をも断つという感じで、閉鎖的な場所での暮らしから突然抜け出た広い海は途方もないほど綺麗で、自然に身を預けながらこれから何をよりどころにしようか、と思い進むストーリーを考えてみました。
ただ強いだけではない、ただ切ないだけではないと思わせてくれるkumasu様の曲は、世界観を膨らませられてとても心地の良い作業となりました。ありがとうございます。

完全に独断で歌詞を入れる字数や場所を決めたので、ここは歌詞なくていい、入れてほしい等あればドンドコ対応いたします。またはお好きなように改変して下さいませ。

閲覧数:211

投稿日:2018/09/02 15:07:22

文字数:773文字

カテゴリ:歌詞

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