君に
伝えたい言葉があるんだ





-人想い4-






「・・・・ミク姉」
「レンくん!大丈夫だった?」

どうやら二人に蹴られたところを気にしているらしい。
恐る恐る触ってこようとする。

「・・・うん。大丈夫、殴ったから」
「・・・・(お兄ちゃんどんまい)」
「それより」
「うん?」

ミクはレンの頭に触れたのが嬉しいのかずっと撫でている。

「言いたいことが、あるんだ」
「え」

レンの言葉にミクの手はとまった。

「言いたいこと?」
「うん。いいたいこと」

自分が臆病だったから
言えなかった言葉

「聞いてくれる?」
「・・・うん、聞く」

愛しくて仕方ないから
言うよ
"好き"だって

「ねえミク姉」
「うん」
「ミク姉はオレの事弟としか見てないと思うけど」

レンはミクを思いっきり抱きしめた。

「レ・・・っ」
「オレは違うよ」
「・・・・・」
「最初はシスコンなのかなーとか嫌な事自分で考えてた」

レンは苦笑してミクを抱き締める力を強くした。

「でも、違うってどこかで言ってる自分がいて」

ミク姉の事
だんだん
だんだん好きになって
これが恋なんだって気づいた。

「オレ、ミク姉が好きだよ。一人の女として」
「!」
「姉としての存在じゃないんだ」

どんどん抱きしめる力が強くなる。
怖いからかもしれない
でも

離したくないから。

「・・・レンくん」
「・・・ん」
「嬉しいよ」

レンは数秒黙ったままでいた後すごい勢いでミクから離れた。

「・・・・はい!?」
「え、だから私もレンくんが好きって意味で・・・」
「え、ちょ」

玉砕覚悟でいったレンにとっては以外すぎて頭が混乱している。

「あー、やっとくっついた」
「ねー」
「なっ」

ミクの後ろからカイトとリンがひょこりと顔を出す。

「周りから見たら両想いなのにレンったら何もしないんだもん」
「ミクがオレのとこ来てたのなんて相談のためなのになー」
「んな事わかるかよ!!」

レンは顔を赤くさせて怒鳴った。

「わーっレンが怒ったー!」
「助けてミク姉ー!」

2人は笑いながらミクの後ろに隠れる。

「うっ」

レンはその瞬間後ろにたじりつく。

「・・・レンくん」
「・・・・・」
「私たちもう、恋人同士、だよね?」
「~~~~~~っ。は、い」
「やったあ!」
「うわっ!!」

レンの返事を聞くと同時にミクはレンに抱きついた。

「ちょ、ミク姉!!」
「やだ!」
「へ?」
「姉、なんていらない」
「う、ぁ」
「はい、もう一度!」
「~~~~~~ミ、ミ、」
「・・・・レン」
「っ」

レンは顔を耳まで赤くさせてそれを隠すようにミクを抱き締めた。

「ミクっ」
「うん!」

うわぁ恥ず・・・。なんて言っているレンに笑いながらミクはレンを抱き締め返した。

「大好きだよレン」
「・・・オレも」

両想いだなんて
そう簡単に気づくものでもない。







fin.

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

人想い4

くん、さん付や苗字から呼び捨てになるのが個人的に好き←
ここまでお付き合いありがとうございました!

閲覧数:1,492

投稿日:2009/03/22 23:37:52

文字数:1,243文字

カテゴリ:小説

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  • 珀月心裡

    珀月心裡

    ご意見・ご感想

    キーキー花子さん、いつも感想ありがとうございます!!
    いつも元気をもらい、励みになっていました^^
    登場する全員をよく見ていただいて、本当にありがとうございます!
    1話目から読み直してくださってるのですか!?うわわ、ありがとうございます!
    イラストのほうも褒めていただき、本当にありがとうございます><

    2009/04/01 18:32:11

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