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この坂を下りたらこの恋は終わりと
何度も言い聞かせている
頬に一筋の涙
恋に恋をした
私は無敵の女の子だから泣くのをやめる
それはまだ風の冷たい夕暮れ
3月になる少し前
西陽に照らされた
揺れるバスの車内
吊革にもたれ立っている君は
私の言葉に優しくうなずくと
窓の外の景色を見ている
届くことのない想いなら
初めから諦めたほうがよかった
何度も繰り返す自己嫌悪
逃げ出したくなる情けないほど
優しさって時には人を
これ以上ないってくらいに傷つける
思いっきり笑って
思いっきり涙を見せていた
ふたりだけの世界
作り笑いにも慣れてきた
何処かに本物があればいいのだけど
はみ出したままの心は
コースに戻ることなく倒れ込んだ
オレンジに染まった放課後の教室
気まずい空気をただ変えたくて
その場しのぎの軽はずみな言葉
胸にとげが刺さって抜けない
叶わない恋だって
そんな事初めから分かっていた筈なのに
心のどこかで
願ってしまう自分がいる情けないけど
「本当の気持ち聞かせてよ」
勇気をもって言い出せたならば良かった
旅立つ背中に光が照らす
浮かび始めていたふたつの道
いつのまにか菜の花道端に咲いていた
次の季節が始まっているんだね
ようこそ新しい世界
叶わない恋だって
そんな事初めから分かっていた筈なのに
心のどこかで
願ってしまう自分がいる情けないけど
なんて幸せな時間だったのだろう?
いつも大好きな人のそばで
思いっきり笑って
思いっきり涙を見せていた
ふたりだけの世界
この坂を下りたらこの恋は終わりと
何度も言い聞かせている
頬に一筋の涙
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