―少女は、数年前まで平和だった「街」――いまは「物」だが――に住んでいた。
街が平和だったのは、少女が5歳くらいまでのときだった。小学校に上がる直前、「戦争」は勃発し――そして、街は大国の「物」になった。
そして――少女の両親も、既に亡くなっている。
戦争で、ではない。
時期こそ戦争と重なっていたが――もっと別の、凶悪な力によって。
「死んだ」のではなく――「殺された」。そう表現した方が正しいだろう。
少女の両親は、少女と同じ様に――違法な手段を使い、外の情報を得ていた。
街は昔から殆ど外とのつながりがなく、また、街も外からの情報を厳しく制していたからだ。
少女の両親や少女のように、外の情報を知ろうとする者も当時からは珍しくなかった。時折それがバレ、警察に捕まる者もいたが――そこからみれば、両親も少女もかなり運が良かったといえる。
そして――いまこそ「パンダヒーロー」という有名な喧嘩請負人として活躍している少女の心に、いまも根強く生きている「トラウマ」。
それは――かつてとても仲が良かった少年が、自分の両親を殺害するという――あまりにも残酷で現実味のない「現実」だった。
――なんで。
目の前がうすぼんやりとする少女の目に、容赦なく現実は突きつけられる。
只管(ひたすら)腕を振り上げ、思い切り振り下ろすを繰り返す幼馴染。
鮮烈な赤。
――なんで、×××君は、なんで。
混乱する頭と妙に冷静な視界。
そして――ユラリ、とかつて幼馴染だった少年が、少女の方を向く。
少女は、その時自分が言った言葉は覚えていない。
ただ、叫んだ。それだけを覚えていた。
――こないで、こないで!
真っ黒の影の幼馴染。その表情は、笑っているのか泣いているのか他の表情なのか。
そして――少女は右手に鋭く熱い――きっと痛覚である物――何かを感じた後、意識を手放した。
そして気付けば、少女は病院のベットの上に横たわっていた。腕には縫った痕があり、少女はソレをすぐに少年により付けられた傷だと判断した。
数週間して、少女は両親が死亡した事を医師から知らされた。最初の数週間はショックが大きいからと、医師がそう判断し、少女が落ち着いた頃に事実を告げる事にしたのだろうか、と少女は今になって推測していた。この街にもそんな心優しい医者が居たのかと、同時に懐古(かいこ)もこみ上げてきた。
何重にもオブラートに包まれた言葉を吐き出す医師に、少女は虚無感(きょむかん)と喪失感(そうしつかん)がごちゃまぜになった心で、その話をどこか客観的に聞いていた。
彼女があくまで「喧嘩請負人」で、「殺し屋」にならなかったのは――そんな理由だ。
幼い頃のトラウマ。それは少女が思っていたよりも心に深く根付いていたらしい。
そして――今に至る。
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kemu
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