スパイダーズ・スレッド
投稿日:2008/11/11 20:56:40 | 文字数:780文字 | 閲覧数:57 | カテゴリ:歌詞
元ネタは「蜘蛛の糸」。
ですが欲望の描き方に自己解釈を加えてみました。
暗く赤く燃える炎だけが僕を照らす地の底
断末魔の響く牢獄の中をうなだれて歩く
あるとき身を焼くような何かを背に感じ上を向き
そこに微かだけれど白い光が見えることを知った
光の向こうに誰かが見える気がして
それが息苦しくて上を向いた 涸れかけた声を上げて……
「お願いだ僕を見ないでよ」一筋の光に向けて叫ぶ
涙も出ないまま暗い闇の底から
だけどそこに目を向けてしまった 差し伸べられる手を見てしまった
僕は僕自身に吐き気がした
それでも優しさを求めたおぞましさに
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暗く赤い地の底に差し伸べられた白く細い糸
僕は言葉につまりうつむいて、そして辺りを見回す
絶望と嫉妬に染まった視線が僕に突き刺さり
それから逃げるように僕は糸を右手に巻きつけた
張られる糸に僕の身体が吊られていく
僕は息苦しくて目を瞑る 迫る足音を聞いて……
「お願いだ僕を諦めて」赤い炎に声を張り上げる
乱れる鼓動こらえて暗い闇の底へと
僕に群がるヒトが怨嗟とともに掴んだ手と足を
歯を食いしばり切って捨てながら
僕はそれでも優しさにしがみ付く
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赤く血に染まり千切れた足に力を込めて
僕は大きくなった光に向け身体を投げ打つ
痛みとともに瞼を開けた僕の目が見たものは
やさしさに満ちたあなたの笑顔と焼けるような白……!
違う、僕が求めていたものはこんな優しさじゃない!
とても綺麗で暖かすぎて心が砕け散りそう
手足とともに切り捨てた戻れない黄昏に
僕は最後の安らぎをみつけた、そっと瞳閉じて
僕は暗い闇に身を投げる もう支えてくれる糸なんてない
だけどそんな僕の心は 不思議と満たされてく
優しさに浸ることも出来ずに 絶望に溺れるのも叶わず
だから壊れるその瞬間に
せめて何かを感じられたら……
普段は方々のコミュニティサイトを徘徊している消費型人間です。
音感も打ち込みの技術も無い見専聴専ではありますが、
詞に曲を付けて頂いたとき、心を撃ち抜かれた気分になりました。
嬉しくて言葉に出来ない、そして何かに目覚めそう。
創作の輪が繋がるって素晴らしいことだと思います。