そして、児童養護施設でのミクのライブ当日。施設の駐車場に数台の車が止まっていた。その中の一台から雅彦とワンオフのミクが出てくる。
 「それじゃ、設営はお願いするね。僕は園長に挨拶してくる」
 「分かりました」
 別の車から出てきた坂井に声をかけた後、施設の中に入る雅彦。一方坂井は他の人間の声をかけ、機材の運び出しを始めていた。かなり手慣れた感じである。
 今回のライブに携わってるメンバーは、以前ライブを運営したことのある人間で構成されており、坂井もその一人である。初音ミク基金では、ワンオフのミクたちを通じて、何か慈善活動をしたいといって転職してくる転職組も多い。そのため、基金に入ってきた時点で、色々な作業に対するノウハウが豊富な職員も多く、初音ミク基金の活動に一役買っていた。そうやって色々な機材の運び出しの様子を見ながら、児童養護施設に入る雅彦とワンオフのミクだった。

 「…どうも、安田雅彦です」
 「初音ミクです」
 「園長をしている戸田勝です。よろしくお願いします」
 握手する三人。
 「…本日は、我々の施設にライブをしに来て下さり、ありがとうございます」
 一礼する戸田。
 「…いえ、これも私たちがしたいと思ってしていることですから」
 そういうワンオフのミク。
 「…事前のお話通り、今、機材班が準備をしています。ミクが来たので、園児の皆さんに挨拶をしたいのですが…」
 「…分かりました、こちらへどうぞ」
 そういって戸田に案内される二人だった。

 「…みなさん、今日は初音ミクさんが来てくれました」
 その戸田の言葉に、大歓声が上がる。
 「はいはい、みんな静かに。…では、ミクさんどうぞ」
 そういわれ、ワンオフのミクが部屋に入ってくる。そうすると、再び大歓声が上がる。
 「こんにちは、初音ミクです」
 そういって礼をするのワンオフのミク。再度大歓声が上がる。しばらくすると、園児たちが堰を切ったようにミクの所にやってくる。そんな園児たちの頭をなでたり、握手したりするワンオフのミク。
 「…今、台所の方に食料を運んでいます。調理機材の使用は話にあったとおりですね?」
 「はい、調理室の機材は自由にお使いいただいて結構です」
 そのワンオフのミクを見ながら、戸田と話をする雅彦。
 「…すいません、それでは搬入の様子を見てきます」
 そういって、その場を後にする雅彦だった。

ライセンス

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初音ミクとリンクする世界 初音ミク編 3章5節

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投稿日:2017/08/27 00:39:31

文字数:1,007文字

カテゴリ:小説

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