明るいうたを書きたいな
そう呟いて始まるこのうた

ある日　世界が生まれました
ひとつの世界が生まれました

日は昇って　雨は上がって
愛され恵まれ　暖かさを知りました

いつか僕もと　そう思えました
守りたいものが　増えていきました
何かを積み重ねているそんな気でいました

ある日　絶望を知りました
僕には何もありませんでした

それどころか　何か足りない
スカスカ空っぽ　欠陥品だと気づきました

いつか僕もと　抱えていたもの
守りたいものは　零れ落ちました
強みも価値観も信念も　憧れももらった恩も
優しさも

それでも世界は止まらない
止める勇気はありませんでした

守って抱えて　落っこちてって
痛みを知って　僕になりました

うたがあった　そらがあった
広くて深くて　冷たく優しい

そらのかたちを知りたいな
そういう明るい何でもないうた