白黒の人だかりに狼がいた
速くすぎる影の中に狼がいた
焦げた赤茶色の狼
血を浴びたように暗い
車の蟠りの中をするりと抜けていった
すぐに消え行く狼
今はここに無い速さ

笑っていた
獲物をくわえている
黒い血を点点と撒いて狂喜する狼
見えてはいなかった ただ、頭の中にあった
行け あの野郎の心臓を
食い破って走り去れ 速さで
己には狼が棲み着いた
気に入っているのだ

高層が吠える
熱を穿て 速さで
今はここには無い速さで
重さで
鋭さで
暗さで
示してやろうよ
何も知らぬ奴らに
何も、見えてなど居ない
ただの盲目だ

人にも化けるさ
黒い血で染まった狼
鋭く見ているぞ
夜を見ているぞ
忘れるものかと、牙を濡らして
無音で駆ける四肢

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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狼の速さ

閲覧数:245

投稿日:2016/05/26 16:30:51

文字数:320文字

カテゴリ:歌詞

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