#3「暗がりのシルエット」
部屋の明かりをつける
外は暗くなったというのに、アイツはまだやってこない
「……はぁ」
グミは、さっきからため息ばかりついている
なんとなく、私が嘘をついたようで、罪悪感すら覚える表情だ
「ねぇ、グミ」
「なぁに?」
椅子に座ったまま、力なく私の方を向くグミ
私はグミに近づくと、カチューシャをとった
「髪留めのゴムある?」
「え?……ううん、私、つかわないから」
「そか、じゃ、輪ゴムでいいや……」
私は入口近くの棚に置いてあった輪ゴムの箱から、輪ゴムを取り出して自分の短い髪を後ろで縛った
さらに前髪をヘアスプレーを使って、わざと立たせる
「よし……どう?」
私はかっこつけてグミの方を見た
「……驚いた……やっぱり双子なんだね、そっくり!」
グミは驚いてくれたが……笑顔にはなってくれなかった
不本意だが……仕方ない……
「グミ、ちょっと目、閉じてて」
「う、うん?」
グミは私の言った通りに目を閉じた
私は部屋の明かりを消して、グミに近づく
そして、自分で出せる低い声で……話す
『目、あけていいよ、グミさん』
すると、グミはびっくりしたように、私を見た
月明かりでうっすらと浮かぶシルエットは、まさしくアイツそのもの
「……レン君?」
しかも、声も似ていたのだろうか……グミは一瞬、混乱していた
『どうだい?僕にあった感想は?』
「えと、えと……ええ?」
混乱しているグミは、まともに返事ができないようだ
『ふふ、かわいいね、僕に体を委ねてくれるかい?』
「ちょ、ちょっと!リンちゃん!ふざけないで!」
そこでようやくグミが、私だということに気づく
「ははは、ごめん。けど、似てたでしょ?」
「似てたけど……リンちゃんは、レン君じゃない!レン君はあんなこといわないもの!」
私はその言葉を聞いて、何かがこみあげてきた
「ねぇ……グミは、アイツのどこがいいの?」
そして、やめておけばいいものを……そう聞いてしまった
「優しくて……かっこよくて……すごく頼りになるし……」
もじもじと話すグミに、だんだんと腹が立ってきた
「なにより、私の作った服をすごいっていってくれた……私のこと、理解してくれているのもの」
プチンと何か糸のようなものがきれた音が……私の中でした
「私だって……私だって……」
「え?」
そして、いままでせっかくこらえてきたものが、今、あふれようとしていた
「私だって、グミのこと守ってあげれるのに……、見た目だってあまり変わらないのに……、私が一番……グミのこと考えてあげているのに……私じゃ……だめなの?」
それは私のグミへの想いの断片……
……私は、自分とは見た目も性格も正反対のグミに憧れ
……そして、誰よりもグミのことが
――好きだった
「……リンちゃん?なにいって……」
グミの一言ではっとする
私はあわてて、ごまかす
「……ふふ。ふふふ、あははは、どう?びっくりした?嘘だよ、嘘、冗談でしたー」
なんて……それが嘘……けれど、いまの関係は壊せない
「そ、そか……嘘か。そうだよね、うん、あはは、今の、私も騙されちゃった、はは」
グミはそういって笑ってくれた
「でも、だからといって、たまには私にもかまってよ?じゃないと、アイツと上手くいくように応援してあげないよ?」
「うん、わかってるよ、リンちゃん」
そういって、私たちはいつものように笑いあった
けれど、私の心の中には、虚しさも残っていた
コメント2
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ご意見・ご感想
イズミ草
ご意見・ご感想
おっっとぃ拗れましたねー
でもリンちゃん切ない……
レンの矢印の先に誰がいるのか……めっちゃ気になります!!
2013/12/26 14:19:35
しるる
リンちゃんはせつないね…
レンくんの矢印は、もう決めてあります
2014/01/05 17:03:34
Turndog~ターンドッグ~
ご意見・ご感想
ちずさんアウトー!!w
だがしかしリン→レンは俺も考えた(おい
百合は比較的好物←
ここから昼ドラですか?昼ドラなんですか!?(飛びつくな
2013/12/26 09:50:36
しるる
それでは普通ではないですかw
それにそれっぽいことは、ボカロ観察でやった←
それに、こっちのほうが面白そうだとおもってww
ロリィとかとは、また違った話ですけどね
もうちょっと、真剣なお話w
2013/12/26 12:25:03