雨の日の納豆だけが星座になる
五角形の網目に織り込まれた
匂ひのする神話の展覧会だ
それはぐちやぐちやとしてゐて
よくわからないといふけれど
紙に書いたさそり座よりずつと奥行きがある
何万年経つて星がその位置を変へても
白い糸はぴんと張つて切れることはない
伸びれば伸びる程
光を受けて輝く骨張つた獣たちだ
そこには雨も降る
箇条書きされた喜びや不安が
デパートの垂れ幕みたいにぶら下がり
竹の物差しを当ててみても
その一本の長さは測れない
さつき測つた消火器の赤い箱の
縦の長さのやうにはいかない
時計回りの空に満月の卵が落ちる
辛子や醤油がなければだめだといふ人もゐる
ビニール越しに浮かぶ天の川
カップに入つた球状星団
水不足の町に住む友達をおもひながら
また少し強くなつた雨脚を喜んでゐる
納豆は星座だ
ねばりのある宇宙のかたまりだ
地軸は箸だ
ぐるぐるかき回しては夜の中に放り込む
雨の日の納豆だけが星座になる
晴れの日だつたら雨だつた
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