白い雪がしんしんと降る中、一人の少年が街を歩いていた。
黒い服に黒いマント。フードから覗くのは、色の薄い金髪と凍てついた空色の瞳。歳は14か15といったところで、肌も吐く息も白い、全体的に夢幻のような儚い印象の少年だった。
街を歩く人々は、そこに少年などいないように早足に歩く。寒さから逃れるべくせかせかと歩く人々と目的もなくふらつくように歩く少年との間には、何かずれがあるようだった。それは例えるなら、違う映画のフィルムを繋ぎ合わせたようなずれ。
「―――本当に、手遅れなんですかッ!?」
少年の耳に、ややヒステリックな女の声が飛び込んできた。
少年は下を向いていた顔を上げ、声の響いてきた方角を見た。小高い丘の上にあるそのお屋敷は、とある伯爵家の物だった。
「仕事、か」
誰にとなく呟く少年の姿が、風にさらわれるように消える。街の人々は誰一人としてそれに気付かなかった。が、翡翠色の目を細めた黒猫が少年を見送るようにミャオウと鳴いた。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

【白黒P】鎌を持てない死神の話・1

うん、書きかけのシリーズ放り出して新しいの書くって言う無茶苦茶w
せっかくカラオケ配信決定したし、前々から温めていたネタで書いてみました。
お暇な方はお付き合いくださいませ。

もっと見る

閲覧数:411

投稿日:2011/05/26 17:08:39

文字数:419文字

カテゴリ:小説

オススメ作品

もっと見る

クリップボードにコピーしました