齧った林檎の転がる先に光は見えるか
背負った命の重力に耐えられるか

感情と本能が結託する時に
君の隣で立ち会えるだろうか

世界に降り立った瞬間
黒く染まった両の手
嘆いて顔を擦っても
染まり染まっていく、視界は暗く


抉った心を捨てた先に人は埋まる
傷ついたと喚く信号に従うまま

論理と理性が立ちふさがる中で
君を探して走り出せるだろうか

世界に降り立った瞬間
黒く染まった両の手
もがいて声を荒げても
抜けだせないまま、瞼を閉じる


涎まみれの愛から生まれる
涙なしでは語れないストーリー
くだらないと粋がった僕を
包み込んで溶かして


世界に降り立った瞬間
黒く染まった僕らが
お互いを許しあえなくても
巡り巡っていく、命の一端で

三角ピラミッドとある場所
黒く染まった僕が今
集合体となって呼吸をして
君に食べられる


世界に降り立った瞬間

黒く染まった君の手

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

モノクロ生命体

ぐさり。

閲覧数:124

投稿日:2013/03/24 00:02:21

文字数:393文字

カテゴリ:小説

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