(1)
二人は成長するにつれて、見た目はお母さんに似てとてもかわいらしいのですが、性格の方は全然別になりました。リンは明るく強気でわがままでしたが、レンは大人しくて本ばかり読む賢い子でした。その頃には既に王さまはリンだけを特別に扱うようになっていました。王さまはお城の中を歩き回るのにもリンばかりを連れて行きました。そして周りの召使に口癖のように、
「私の大切な娘の表情が一瞬でも曇る事がないように、もしもその様な事があったら私に刃向かった者として家族もろともみせしめに殺してやるからな」
と笑って言っていました。リンには自分が特別なのだという事のほかは何もわかりませんでした。リンが退屈だからといって召使にせがんだ話がちょっぴり怖かったのだと王さまにお話しただけで、その召使が家族もろともみせしめに殺されてしまったのだということもわかりませんでした。
逆にレンはお城の中の物には興味が無く、本を読んでばかりいて、あきると庭を散歩して小さな生き物たちを観察するのが好きでした。目をかけてくれるのはちょっと風変わりで、たいへん有名な家庭教師のおじいさんばかりでした。その人はもともと平民で、うんと勉強をしてみんなに役立つ事をたくさん発見して認められて、その功績が王さまに認められてレンの家庭教師になることができたのでした。よく町で貧乏な生活をしていた頃の話をしてくれる人で、レンは生まれてからずっとお城で育ってきたのでそれをとても珍しく、面白く思っていました。
ですが不思議な事に二人はとても仲の良い姉弟でした。レンはリンのことをとてもかわいい自慢の姉だと思っていたし、リンはレンがしてくれるお話が、このお城のどんな召使がしてくれる話よりも好きでした。王さまのお仕事が忙しくなったり、愛人の所に出かけてしまったりして退屈になると、リンは直ぐにレンの部屋か、お庭の大きな木の下向かいます。レンは大抵そのどちらかの場所で本を読んでいるという事、そしてリンの事をみつけると笑ってその本を閉じてリンの手をとってくれるという事がリンには分かっていたからです。
王さまの周りの人は次第に、王さまにこれほどまでに気に入られているのだから、リンの方が王位を継ぐのではないかと思うようになりました。だってこの国で一番偉いのは王さまで、もちろん王位を誰が継ぐかをきめるのだって王さまだったからです。だから側近の人たちは時々こっそり女の子の方にだけ余分に贈り物をするようになりました。
悪くて可哀想な双子 (1)
!! CAUTION !!
これは悪ノP様の言わずとしれた名作「悪ノ娘」と「悪ノ召使」を見て感動した上月がかってに妄想を爆発させたそのなれの果てです。
・当然の事ながら悪ノP様とは何の関係もありません。
・勝手な解釈を多分に含みます。
・ハッピーエンドじゃありません。(リグレットとの関連も無いものとしています)
・泣けません。
・気付けば長文。(つまり、要領が悪い)
以上の事項をご理解いただけた方は読んでみて下さい。
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けんはる
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