そして、安田研究室。
 「ライ、これから晴れて大学院生だな」
 「そうですね」
 無事に大学院に進学できた新山とクリスティンが話していた。
 「これもクリスティン先輩のお陰です」
 「…本当は、プロフェッサー安田の手をわずらわせることが無ければ、もっと良かったのだがな」
 「今回の件でクリスティン先輩がしっかり学ぶことができて、次に同じことがあった場合の対処方法が分かったのであれば、それはそれで良いと思いますよ。結果論ですが、僕も留年せずに済みましたし」
 「…そうか」
 「そういえば、クリスティン先輩、4月に入った辺りから、もの思いにふけることが無くなりましたね」
 「…ああ、憂いはなくなったからな」
 晴れやかな様子のクリスティンを見て、新山も笑顔になる。
 「…それより、今日はルカ殿のメンテナンスの日だな」
 「そうですね。もうすぐ来られると思いますが」
 そうやって二人が話していると、雅彦とルカが入って来た。
 「こんにちは」
 部屋に入って挨拶をするルカ。
 「新山君、クリス、来てくれ」
 雅彦が呼ぶ。
 「新山君、クリスティンさん、お願いしますね」
 「ルカ殿、私たちが責任を持ってメンテナンスする」
 「…クリスティン先輩、固いですよ」
 たしなめる新山。そんなことを話しながら、ルカのメンテナンスのため、メンテナンス室に向かう四人だった。

 「ルカさん、メンテナンス、お疲れ様でした」
 メンテナンス室から出てくる四人。
 「異常はなかったかしら?」
 「データを見る限り、部品交換は必要無さそうです」
 「そう。それは良かったわ」
 「…あの、ルカ殿…」
 遠慮がちに尋ねるクリスティン。
 「クリスティンさん、どうされました?」
 「…また、ルカ殿の淹れた紅茶を所望したいのだが…」
 「はい、また家に来ていただければ、いつでもクリスティンさんのために紅茶を淹れます。時間があれば、紅茶に合う美味しいお菓子を作っても良いわね」
 「…その、差し出がましい申し出だが、ルカ殿の作られたお菓子も食べたい。時間は調整するので、日が決まったら連絡いただけないだろうか?」
 「ええ、分かったわ。それじゃ、失礼するわね」
 そういって、安田研究室を出る二人。
 「クリスティンさん、私のファンだといって、日本に来たけど、一時期私がメンテナンスに来ても、全く話しかけてこなかった時期があったわね」
 「そうですね」
 「最近、元に戻られたみたいだけど、何かあったのかしら?」
 「…二人だけの秘密です」
 ぽつりと話す雅彦。
 「え?」
 「ルカさん、これから仕事の打合せが入ってませんでしたっけ?」
 「あら、そうだったわね、…それじゃ、失礼するわ」

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初音ミクとパラダイムシフト2 エピローグ8節

閲覧数:53

投稿日:2017/02/26 00:45:33

文字数:1,139文字

カテゴリ:小説

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