少し濁る硝子に
ひとつ、ふたつ極彩を挿した
やわく触れる指先が
一片の恋を落としただけ

見たくないものなど
見なくていいの
きれいな瞼を
縫いつけて種をまこう

ああ、食んで食んで飲み干した
花を花びらを咲かせて
もう、いいのいいのこれでいい
わたしの咽を汚す鱗粉

ぽつり浸る黒髪
ひとり、ふたりと茨を梳いた
声色だけ取り上げて
嘆くことさえも殺しただけ

痛くないものなど
なにもないから
爛れた景色を
踏みつけて水を注ぐ

ああ、噛んで噛んで飲み込んだ
夜を真夜中を綴ざして
もう、いいやいいやそれでいい
だれかの胸で枯れて、お願い

椿と薔薇と曼珠沙華
最期に鈴蘭を孕んで

ああ、食んで食んで飲み干した
花を花びらを咲かせて
もう、いいのいいのこれでいい
わたしの咽を汚す鱗粉

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

花食症

控えめな愛と嫉妬と悲しい思い出
そうして純潔の毒を孕んで、孕んで


※鬼の平蔵さんに素敵な曲をつけていただきました!
http://piapro.jp/t/uWW9

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投稿日:2014/08/28 22:04:37

文字数:344文字

カテゴリ:歌詞

ブクマつながり

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