雨の中 私は傘をさして
おじぞうさんの前にしゃがんでいた。
しばらく見つめると 立ち上がり
桜を見上げる。
桜を見ると悲しい気持ちが込みあがってくる。

静かな田舎にやってきたのは男。私は
その男に恋をしてしまった。
都会の人でとても優しい人だった。
私が落ち込んでいる時もいつも励ましてくれた。

だけど、彼は山の土砂崩れに巻き込まれ、
亡くなってしまった。
葬式の時、彼の親は棺桶の前で泣いていた。
しかし、私は泣いていなかった。
だって私はボーカロイドだから・・・・。

泣けない自分が憎い。けど 今は泣く事も出来る。
じゃあ何故私は彼が好きになれたのか。
それが不思議だった。


桜の木の下で休憩していると
おじぞうさんを見つめる。

そこで彼に告白をした。彼は
顔を赤らめてOKしてくれた。
そのときは嬉しかった。機械の私でも
彼氏と言う者が出来た。

だけどいなくなってしまった。この気持ちは何?
誰か教えて・・・・。
おじぞうさんに聞いても何も答えてくれない。

そうだよね。おじぞうさんには分からないよね。
もう誰も好きにならない。何故なら 死んだ
彼がまだ好きだから・・・・。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります

【小説】雨の中できっと(その1)

閲覧数:198

投稿日:2008/04/10 19:30:36

文字数:499文字

カテゴリ:その他

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    遊牧家族

    ご意見・ご感想

    拝読しました。

    確かに、音数や構成がはっきりしないという点では、決して曲を付けやすいものではありませんが……

    道にお地蔵様が祀られているというレトロな風景とボーカロイドという組み合わせのミスマッチに魅力があると思います。ロボットと人間が共存しつつ、どことなく古風なテイストをもった世界観ですね。なぜそのような田舎町にミクがいるのか……といったあたりに物語が出来てくると思います。続きを読みたいところです。

    2008/04/11 03:48:02

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