戻ってアズリの仕事を手伝って、予定通り午後七時。
「夕食持ってきました」
サリーの号令で、問い質したいのを必死に堪えているアズリを尻目に、レンは己の恐怖を必死に心の隅に追いやっていた。あっという間に夕食も終わり、サリーにはすぐに使用人室に帰ってもらった。
「気になっただろうに、待たせてごめんね。どうぞ座って」
「はい」
広間の隅にある事務机ではなく、来客用のテーブルに向かい合って腰を下ろした。
「朝にも言たけど、僕は貴女のことが好きだよ。ずっと側に居たいと思ってるし、できれば隠し事もしたくない」
「それは、当たり前です。わたし、レンさんには嘘はついてません」
アズリが大きく頷いて、自信たっぷりに言い切った。
「それは、ある程度理解してるつもり。けど僕には色々秘密、というか真実とは違うことが事実として伝わっていることがあって、まずはその誤解を解きたいと思うんだ。でもそれは、君にとってとても不愉快な事実で、もしかしたらそれを聞いた後、君は僕を恨むかもしれない」
黄緑色の少女の目には混乱が浮かぶ。いくらアズリが天才的な頭脳を持っているとしても、レンの言う『誤解』が国の歴史に絡むものだとは想像もしていないだろう。
「どう言おうか迷ったんだけど、一つおとぎ話を聞いてもらうね」
「おとぎ話、ですか?」
「うん、少しだけ昔に産まれた、一組の双子のお話」
レンは語り始めた。
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