嫋々たる春風の日々は過ぎ
すげない雨が つ、と降りかかる
行合の空 君の横顔
黄昏にひた隠した涙の跡

片陰り咲く 一輪の白
傘に護りて 行きし地の黒
片便り すぐ君と言葉を交わせると思っていた

流風に明日の希を捧げ
戯雨の下で願い事を
照らせ 永遠に
君の生きるこの世界が
優しくあれますように

飄々たるその様は
朝空を望むような澄み切った色
白雨さえ貴方の横顔曇らせずに
そっと抱いた
奇跡の人

懐郷の情 ただ少しでも、と
傘の柄握り 待ち続く日々
邂逅の時さえ訪れずに
この体溶けていく

日和風は吹けども希は持てず
空仰ぎ そっとかの歌唄う
響け 永遠に
私には見えぬ未来が
貴方を泣かさぬように

貴方の背を思い出し
そっと夢の中で縋り付く
ちぎれ雲よ
泣いてばかりの私に
あの人の強さをください

時は遅く既にかの人無く
傍に落つるは白い花
永遠に独り
君の残したこの世界は
悲しいほど美しい

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片陰りに咲く其の花は

和風な民族調曲にするつもりで書きました。

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投稿日:2017/08/31 12:09:30

文字数:405文字

カテゴリ:歌詞

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