伏し目がちに歩く少女を
僕は見ていた
交差点を曲がる途中、
曲がる間…曲がる瞬間、
僕は見ていた
少女は歩く
暗い夜道
街頭に照らされて歩く
僕は見ている
信号の三拍子で
リズムが狂い始めるのを
さよならの瞬間
少女は歩く
長い髪を揺らす
「どこまで行くの」
「わからないよ」
彼女に靴を買ってあげて下さい
彼女に靴を、
彼女にあしはもうない
少女は歩く
行き先を僕は知っている
隠していることを知っている
朝がくれば分かるんだよ
簡単なことなんだよ
気付かないのも気のせいなんて
分からないふりをして
逃げてもいない月曜日を
なかったことにして
少女は歩く
暗い夜道
少女は裸のドレスを身に纏い
街頭の宝石を貪る
王子様なんていないと
分かっているつもりで
あしは勝手に進みだす
彼女にあしはもうない
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