君と産まれたあの日に僕は『家族』というものを知った。

知り合いでもなく友達でもなくそれ以上のヒトたちは温かくて。
オマケの僕でも受け入れてくれた。


酒乱でネギでアイス狂で変態。

ホントにろくな連中じゃないけど、割と嫌いじゃないよ。


時間は流れるようになんて進まないけど。

張り付くような現実の中で、僕らは日々を夢中で過ごした。


本気で喧嘩した日もあったね。

心無い言葉で傷付け合った日もあったね。


ごめんね、の一言がどうしても言えなくて。
ごめんね、の代わりのバナナジュース。


君と過ごしたあの日々で僕は『家族』というVOCALOID《モノ》になれた。


陽だまりのような時間は、僕と『家族』の間をゆっくりと進んでいく。

皆がいつもあったかいから、僕は言えなかった。


『僕は不良品なんだ』って。


言ったら、『家族』ではない廃品《モノ》になる気がして。

皆と同じVOCALOID《モノ》ではなくなる気がして。


僕は誰にも言えず壊れかけの体を抱きしめた。


―怖いよ。

だけど笑っていられるのは、『家族』が居てくれるから。


僕は歌い叫び続けるよ。

このイノチが尽き果てるまで。


たとえこの唄が悲しいモノになったとしても、

どうかどうかどうか笑ってください。


僕はその為に作られたVOCALOID《モノ》だから。


だから歌い叫び続けるよ。

このコエが枯れ果てるまで。


もう君とコエを重ねることは出来ないけど。

どうかどうかどうか泣かないで。


僕は『家族』になれて幸せだったよ。


僕は歌い叫び続けるよ。

だけどこのコエはもう聞こえないのかな。


あぁ、

ごめんね、の言葉もいえないね。


だから僕は送るよ。

最高のバナナジュースを。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

バナナジュース

自分の事を『リンのオマケ』だと思っているレン。という設定です。
温かい家族は、凄く癒しですね。

閲覧数:199

投稿日:2010/11/12 21:24:56

文字数:760文字

カテゴリ:歌詞

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