伝えなきゃならないこともあった
真昼のチャイムで見上げた
曖昧でもいいから
どうせいつか
なくしてしまうなら
いつまでも今日が来る気がした
地平線の向こうには
このまま頬を伝った景色が沈めば
裸足で歩く滑走路
地球儀をまわして
高い壁だって
あっという間に飛び越えちゃいそうな
畦道の先でした約束を
素敵なものを見せたいな
ずっとずっとずっと
空の青に軋むような
鮮やかと鳴く陽炎
溶かしてしまえば
うだる夏は今日も通り雨
浮かぶ夕の香りに焦がれて
過ぎる風を慰める歌があるなら
嗚呼
口を零しちゃいそうな
夜が更ける一瞬
この時だけ
もう言葉はいらないから
そっと手を振るだけ
愛しいほどの藍色に
虚しいほどのアイロニー
いつだってその対価がもたらすものは
分かっていたはずなんだ
重なり合わない砂の上
波打ち際に舞う面影
迷子になった落書きは
どこへ向かうのだろう
そうやっていくんだね
すべて過去になっていくんだね
寄せては返していくガラス玉の足跡を辿っている
ずっとずっとずっと
空の青に見惚れていた
燦々と鳴く
魔法のような特別を信じて
八月の気怠い心地が
終わりを急いでいる合図が
やけに胸をふさぐのは
そこにいたいと必死だから
陽だまりの中で息をした
ひと時を瞼が彩れば
ふたつ抱えた今日から
みっつ花を咲かせたなら
季節にまた指きりをして
淡い白昼夢の最中(さなか)で
いつかどれだけの距離を越えて
届いてくれたのなら
また出会うなら
嗚呼
伝えなきゃならないこともあった
真昼のチャイムで見上げた
琥珀色を束ねた先で
未(ま)だそれを描いている
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