お話してあげましょう
愚かな物語
王子様と歌姫と魔女
哀れな恋の話を



茨の森奥深く
隠れ住む歌姫
澄んだ声が奏でる音色
誰もが聞き惚れていた

噂を聞いた王子は
姫を迎えに来た
けれど姫は小屋からは出ず
窓から哀しく歌う

「王子様どうか 私を忘れて
 私はここから 出られません
 貴方が時々 私の歌声
 聴いてくれるなら それだけでいい」



人皆 口々に言う
"夜の魔女"の呪い
姫の歌を妬んだ魔女が
森に閉じ込めていると

真夜中息を殺して
王子は小屋見張る
月明かりが照らし出すのは
歪んだ翼持つ魔女

王子は剣(つるぎ)を 掲げて飛び出し
魔女の心の蔵 一突きした
微かな叫びが 途絶え小屋の中
王子は歌姫 助けに行く

けれどもそこには 歌姫は居ない
在るのは可憐な 表情(かお)の人形
質素な机に 置き去りの譜面
『私の愛しい王子に捧ぐ』


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
  • 作者の氏名を表示して下さい

DIVA~隠された歌姫~

mode様の素敵な曲に歌詞を考えさせて頂きました。

mode様作曲
http://piapro.jp/t/n5Ql

ダークな曲調に合わせた物語風な詩にしました。
美しい声を持つ醜い魔女の物語。
魔女に自分を受け入れるほんの少しの勇気があれば
結末は変わっていたかもしれません。

閲覧数:120

投稿日:2011/08/04 23:53:28

文字数:384文字

カテゴリ:歌詞

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