もうすっかり涼しくなってしまった。
茹るような、あの暑さはどこへやら、秋どころかもうすでに冬の足音すら聞こえてくる気がする。
秋は、なんだか哀しい。
酷く感傷的になるのはなぜ?
空の色が無駄に澄んで綺麗だからか。
風が肌を冷やすからか。
雲が白すぎるからか。
葉の色づき始めたあの紅が、物哀しいからか。
ああ、それとも私には。
彼のことがあるからだろうか。
好きだと気付いたのはそういえば秋だった。
お別れをしたのも秋だったなぁ。
哀しい。
だからと言ってどうする気もないけれど。
きっとこのまま彼を思いつづけて、私はこんなに一途な女なんだと、自惚れながら生きていくんだわ。
そうやって思い込ませて、また誰かを好きになれたら。
これがもう最後の恋だと、思ってしまったら。
きっとまたお別れするのが怖くて、自分をつくろって、大好きな人にまで無理に繕った笑顔をしてしまうのよ。
さよならしたとしても、誰の所為にもできなくて、結局自分を責めてしまう。
そしたらまた哀しくなって……無限ループだ。
くだらないループに私は落ちてしまってるんだわ。
好きだという言葉、貴方に伝えないまま。
この空の雲が全部流れてしまったら。
あの空にもし手が届いたら。
風が背中を押してくれたら。
紅葉が笑ってくれたら。
私は前へ進めるだろうか。
いつまでもこんなところで足踏みをしている余裕は私にはない。
ただ貴方のことを好きな私から、変わってゆくのが怖いだけ。
変わってゆくのが怖いだけ。
それだけ。
高く澄んだ空があまりに広くて大きくて。
自分の小ささが誰に聞かずとも思い知らされてしまう。
だから、秋は物悲しいんだ。
そう、それだけよ。
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しるる
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一年は過ぎるのが早い…でも、想いを断ち切るのには短すぎる
2014/09/30 15:28:41
ゆるりー
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