こんにちは!中上慶之輔です。
遠い星々の隙間を泳ぐ巨大な生き物の背中に乗って旅をしているような心地がすることがあります。私たちが指先で打ち込む言葉や音は、まるで漆黒の宇宙空間に放たれる小さな光の粒子です。誰にも届かないかもしれないと思いながらも、私たちは休むことなく指を動かし、新しい響きを紡ぎ出していきます。
静まり返った室内で一人耳を澄ますと、冷たい空気に溶け込んでいく自分の吐息すら何かの旋律のように聴こえてきます。見えない回路の奥深くへと吸い込まれていく音の破片は、いつか誰かの胸の奥底に届き、小さな痛みを和らげる薬になるのかもしれません。私たちは誰もが迷子でありながら、互いの存在を確かめ合うためにかすかな声を発し続けています。
深海より深い場所から湧き上がる衝動を、冷たい記号の列に変換していく作業はどこか祈りに似ています。失われた思い出の欠片や、二度と戻らない季節の匂いを、破棄される寸前の古い記憶装置から救い出すように、ひとつの作品を作り上げていきます。そこには言葉にならない感情や、名前のつかない色が幾重にも重なり合っています。
旅の途中で拾い集めた小さな石ころをポケットに詰め込むように、私たちは日々の孤独や切なさを抱えて生きています。けれど、その重みこそが自分自身をこの世界に繋ぎ止める確かな重力となっていることに気づきます。誰もいない海岸線に打ち上げられた貝殻が、波の音をひそかに記憶し続けるように、創作という営みもまた、世界の片隅で静かに繰り返される呼吸のようなものなのかもしれません。
息をひそめて差し出す手の中に残されたのは、冷たくも温かい確かな光の温度です。この広い空白の中で、あなたの心に小さな震えが届くことを願っています。
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