「レン-!!!ちょっと-!!!」
遠くでメイコ姉さんの声が聞こえた。
絵を描く手を止めて下へ降りる。
『何?』
「今日の夕飯ね。オムライスにしようと思ったんだけど卵が無いの」
『…』
「レンオムライス大好きでしょ?」
『は-い』
もう言いたい事が分かればすぐに向かってしまう。
処理速度が速いとのか,めんどくさいのか。
いつも行く市場へと歩き出した。

*

夕方時は1番賑わう。
商人達の稼ぎ時が丁度この時間帯だ。
『卵6つ』
「レン君,今日もまたメイコさんに?300円だよ」
ポケットから適当に小銭を出して叔母さんに渡す。
「これはおまけ。いつもありがとさん」
お釣りの上に,キャンディが2つ直立していた。

*

辺りはもう真っ暗で。
市場から離れると一面黒い。
電灯の光を頼りに,帰宅する。
…予定だった。

ちらっとその門を見ると,開いていた。
いつもは閉まっているはずの門が。
開いていた。
その先はよく見えない。
木しか無いようにも感じる。

「ぐはぁっ…!!!っうがぁっ…」

よくよく考えればこの時おとなしく家に帰っていれば。
おつかいなんぞに行かなければ。
恐怖より好奇心が勝つ事が無ければ。

彼女に会う事は無かったのに。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

Apple Alice ...2

レンきゅん登場(´д` *)

閲覧数:135

投稿日:2011/03/19 17:19:51

文字数:522文字

カテゴリ:小説

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