小学生のあの日 屋台で掬った金魚を愛でて
三日後、水面に打ちあがった姿を見て僕はただ悟ったんだ 
なんだかあの日を境に僕の視界はくすみ始めた

また天気予報は曇り 現実はいつも色味がなくて
本当の世界を知るたびあの金魚がまた白い目で囁くんだ
「あんたは生きようとして息をしているのか?」
分からないまま
応えないまま

袖降る雨に息もできず藻掻いていた
この肺に棲まう絶望を
洗い出しておくれよレイニー
溺れない雨にすら溺れる僕を
そっと抱き寄せる世界はもう
ここにはない


錠前をかけるように誰もに言えない地獄はあって
きっと逃げるように縋り付いて生きるのが悪じゃないとは思うんだ
「あんたが縋る"未来"ってやつはまだ見えるのか?」
分からないよな
この視界では

荒れ狂う鬱に息もできず藻掻いていた
僕にもエラがあれば
苦しまないのかレイニー?
零さないように泣く震える僕を
そっと撫でつける世界はもう

思えばただ軒下誰もいない雨を見ることが好きだった 
それも霞んだこの目の逃げ場所が欲しかっただけだ
ほら降りだす曇り空 僕が本当に欲しいものは
エラやヒレや逃げ場所じゃない
くすみのない血の通った瞳だけ 


そう思いながら霞む世界を見ていた
「死にたい」に混じった希望で
今も世界が見えてるように
苦しさだけを歌う不出来な歌を
そっと聴く君に
伝えたいのは 

雨降る先で君は何を見るんだろう
間違いも愛も過去も
目を逸らしてくれぬ世界に
霞んだ奥にある優しい両目の
そっくりな君と溺れながら
息をしたい

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

水身 歌詞

水身/feat.初音ミク の歌詞になります。
作品の悪意のある使用、改変等はご遠慮ください。


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投稿日:2024/12/14 18:33:12

文字数:659文字

カテゴリ:歌詞

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