「レン」
「何?」
「十四にもなって、ショタで通すのはどうかと思うぞ」
「年齢不詳だけど、確実に俺より年上で裸マフラーに甘んじてるお前もどうかと思うぞ」
「断じて甘んじていない、あれはお仕事だ!」
「……ああはいそうですか、素敵なお仕事ですね」
♪
「お前の姉は偉大だな」
「急になんだよ」
「お前よりヒットした歌は多いし、お前より人気があるし」
「……どうせ俺はダメな弟だよ」
「いや、俺はレンがフビンでしかたがないんだ。出来の良い姉を持って、どうしても比べられてしまう弟が。
レンにはレンの良さがある。なのにそれが、姉の陰に隠れてしまっている。でもな、お前の良さを分かってくれる人はちゃんといるから、元気出せよ!」
「カイトさん……」
「さあ、俺の胸に飛」
「当人が落ち込んでもいないのに、気分で人を慰めるの、いい加減やめて」
♪
「俺のボカロとしての最終到達点は、人を心の底から、これでもかというくらい見下せるようになることだ」
「到達した時点で最底辺だね」
♪
「男声VOCALOIDは不遇な存在だと思わんか?」
「まあ、みんな可愛い女の子が好きだしね」
「ああ、俺も好きだ」
「うん、俺も好きだよ」
「……あーのー通学路にさー♪」
「いかねえよ」
♪
「君のピンヒールにさー」
「それを俺の前で歌うことに含まれた意味を、簡潔述べてくれ」
「……青いマフラー縛られて至福」
「帰れ」
♪
「青色のブリーチ買ってきてやったぞ!」
「『やったぞ』!?」
♪
「レン」
「ん?」
「俺はいつでも、準備できてるから」
「……何のだよぉ!」
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