まだ　ちっちゃな子供のころ
夕焼けが嫌いだった
まだまだ遊び足りないのに
ママに連れ戻されちゃうから

まだ　ちっちゃな子供のころ
ちっちゃなハサミが嫌いだった
せっかくのお誕生日に
なぜキミは　こんなのくれたの？

楽しくしていたかった
みんなで楽しくできたなら

ちょっとおっきな子供のころ
エサ当番の日は嫌いだった
ウサギもハトもかわいいけど
早起きしなきゃいけないから

ちょっとおっきな子供のころ
となりの席のコが嫌いだった
素直ないいコなんだけど
キミと仲がいいんだもの

優しくなりたかった
みんなに優しくできたなら

本当に嫌いなものなんてないよね
ふわふわウサギもまっしろハトも
いまも親友のあのコもみんな


あの日のトラックが嫌いだった
キミを連れてっちゃったから
あの約束も嫌いだった
ぜったい嘘だと思ってたから

ホントに帰ってくるなんて
夢にも思わなかったから


ちょっとオトナになったいま
保育園の子供は嫌いなの
お仕事だからしかたないけど
毎日　山のような洗濯もの

すこしはオトナになったいま
キミのことが嫌いなの
べつにワケなんかないんだけど
……とにかく、嫌いなの

素直になりたいね
お互い　素直になれたなら

本当に嫌いなものなんてないよね
植木に干した子供たちのシャツ
ちっちゃな赤いリボンつけたハサミ

あの大空を染めてく夕暮れ