「やぁ。アリス」
「!。あなた…誰?」
「僕は…カイト。そう!カイトだよ」
「ふふっ。な~に?その言い方。
まるで今まで名前がなかったみたい」
「(まぁ…そうなんだけど。)君の名は?」
「ミクよ。よろしくカイトさん」

ミクはカイトへ笑顔を向ける。
その笑顔にカイトは一瞬ぶるっと震えたが、
すぐに作り笑顔をミクへと向けた。

「ミク。君には夢があるかい?」
「もちろん!あるわ」
「……どんな?」

するとミクは嬉しそうにカイトの方を見て
はきはきとしゃべりはじめた。

「あ!あのね!好きなお菓子をいっぱい食べること!
好きなお洋服をいっぱい買うこと!
それとそれと!女王様になること!!それと…」

まだまだ言い続けそうなミクにふぅとため息をつき、
カイトはミクの唇に人差し指をあてた。
ミクは驚いてそのまま固まった。

「ミク。アリスになる?」
「あ、アリス?」
「アリスになれば、今僕が聞き取れた3つの事は確実に叶うよ」
「ほ、本当!?でも、アリスって…?」
「アリスっていうのは…」
「アリスっていうのは?」

ミクはうきうきしながらカイトをじっとみつめる。
するとカイトはミクを見ながらキレイに笑い、こういった。

「心の中の君だよ。ミク」

ミクは急に震えだし、口元は上がり、不気味な笑みを浮かべる。
カイトはにんやりとしながらミクに離れ、
腕をくんだ。

「ふふ…ふふふっ!!」
「ミク。君は今、この国の女王様だよ」
「女王様…?素敵ね…!」
「さぁ。この町を歩いごらん。みな、何でも叶えてくれるよ」
「…!」

カイトはミクの手をとり、町へ歩かせた。

「ミク。君に女王様という地位を与えてあげる。
だからひとつ…約束してくれ」
「なぁに?」
「僕を、何があろうと覚えていてくれ」
「…うん。すばらしいものをくれたあなたを、
私は一生覚えておくよ…ふふ…ふふふっ!!」
「あぁ。そうか…それはよかった。」

くるくると回りながらミクは町を進み、
幸せそうに狂うミクを見送るカイト。
そして小さくつぶやいた…




「さぁ。二番目アリス…君はどんな世界をみしてくれるかな?」


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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カイトがもし人柱アリスの夢ならば。ミク編

閲覧数:828

投稿日:2010/01/14 20:20:51

文字数:901文字

カテゴリ:小説

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