不在票の貼られた荷物
いくつもの物語に区切りが付く
電車に乗った加藤君
君の明日は その車窓から、どう映ったろう?
いくつものサヨナラがあったろう
不在票の貼られた記憶を手繰り
瞼を閉じれば 思い出すこと
瞼を閉じれば 思い出す匂い
プルーストの言う通り
何処かで始まった戦争も
人を殺して笑う少女も
正しさを押し付けるあいつも
眠剤を飲んで死を待つ落語家も
G線上に鳴るだけのアリアも
声を失ってしまった路上シンガーも
あくびをして丸くなる仔猫も
ディストピアも 郊外の夏もひっくるめて
訪れる朝
訪れた朝がすべてを物語るように
結論など置き去りにして 世界は続く
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