午前二時。
 ホームには当たり前だけど誰もいない。
 すごい非日常な風景だと思えた。
 私はまるでこの世界に独り、取り残されたような気がした。
 どうして私はひとりなんだろう。
 そう考えると――涙があふれた。





≪孤独の番人 前編≫



 君が話している姿を遠くから見ていた。
 君だけは私が一番に好きな人間だったのに。
 私だけが君の一番に好きな人間だったのに。
 なのに、そこにいるのは……誰?
 なんであなたは私の邪魔をするの?
 なんで?
 ねえ、なんで?

「……君が振り向いてくれないなら」

 そうだよ、こうしちゃえばいいんじゃない。
 泣いてる誰かの顔? そうだね、気のせいじゃない?
 気のせい……そう、きっと気のせい……。

「ねえ」
「ん、マユ。どうしたんだい?」
「……きみこそなにをしてるの」
「彼女がいなくなっちゃったんだよ。どこ行ったか解る?」
「さあ……? きみをほっておくなんてひどい人だね」
「……うーん、まあ、いいか」

 そう、君は私の一番。
 そして私は君の一番になるの。
 ならなくちゃいけないの。
 ただ――愛されたいだけなのに、それは罪なのかな?
 君のことを願えば願うほど――心が痛くなる。
 けれど、これはきっと君のことを思ってるからなんだよ。

「あっ、マユ。ちょっとまっててもらっていいかな?」
「えっ……」

 そう言って君は私に了解なんて取ることもなくどこかへ向かう。少しだけ離れた距離にそれはいた。
 愛想笑いを浮かべて、笑っていたよね。
 そして、その隣にいたのは。
 高いところから勝ち誇ったかのような顔をして、
 私の目の前から消えたんだ。




つづく。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

【自己解釈】孤独の番人 前編

ヤンデレこええ……

原作:http://www.nicovideo.jp/watch/sm19154807

閲覧数:579

投稿日:2012/10/25 22:05:36

文字数:720文字

カテゴリ:小説

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