――行かなくちゃ。
そんな事……分かってる。
ずっと目で追っていたもの。ハズレクジを引いてしまう様な事でもついつい手助けしちゃうくらい、キミが優しい事も知ってる。
だから…
「……この手を離してよ」

私はキミと繋がれている右手を見て、震える声で呟いた。それが彼に伝播しているかは分からないけど。

大好きよ……私だって、本当は


出会えてよかった……
キミが好き

ありがとう、サヨナラ。
だからこそ別れなくちゃいけない。
その一言が―言えないままは辛い。
今だけでいいから、私に勇気をっ……!
「あのね――」

グイッと両手を引かれ、言いかけた唇が塞がれる。キミとの距離は0。

……今だけは泣いていいよね。
私の目尻が熱くなって、頬に水分が流れる。
それは次々と床を濡らしていく。
もう言葉はいらない。

お願い、ぎゅっとしていて……


「ありがとう。大好きでした」

ジリリリリリリ……
発車のベルが鳴って、扉が空気が抜けたような音を鳴らして閉まる。

来年の今頃には……
どんな私が居て、どんなキミが居るのかな……?

  
  ―END―

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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初めての恋が終わる時 *3

閲覧数:825

投稿日:2010/02/04 22:48:03

文字数:478文字

カテゴリ:小説

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