月のでない夜に
窓掛けを潜って
陽気な語り手と
町外れ塔へ行く

最後の留め金が
丁寧に奪われた
濡れてる光沢に
照明がぽつんと

天蓋で奏でてる
長い胡弓の調べ
嗚呼否が応でも
いつでも美しい
弛緩した弦から
旋律は流れてく
只酔任せにして
爪弾いてみせる

路地裏で興じる
流行りの円舞曲
街から街へ男は
気侭に旅をした

痩せた耳朶には
懐かしい序奏が
硬くなった手に
古びた紫檀と桑

華やいだ都の中
名うての糸響く
幾ばくの寂寞も
空くことはなく
お決まりの演戯
観衆は空を仰ぐ
舞台袖から去る
人影を見逃して

どこかの街の噂
質屋に又弦一つ
あの曲の続きを
眠れぬ私は知る

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい
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胡弓

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投稿日:2024/09/22 14:39:43

文字数:293文字

カテゴリ:歌詞

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