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イチオシ作品
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横断歩道、遮る光の列
涙の跡を見逃せなくて
適当な波形が漣の様に揺れた
明日も君が優しい人でいられたら
そんな残酷な願いにさえ
聴こえるよ「ありがとう」が
下手くそな毎日を
笑ってしまったとしても
その手にはまだ残っている
両手一杯の明日が...徒然
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月のでない夜に
窓掛けを潜って
陽気な語り手と
町外れ塔へ行く
最後の留め金が
丁寧に奪われた
濡れてる光沢に
照明がぽつんと
天蓋で奏でてる
長い胡弓の調べ...胡弓
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予約待ちのShooting Bar
お生憎様、ここは愁嘆場
所謂才媛とひび割れるsilent
粧し込んだ tyrant 懲らしめろ
trip a moon、tonic and bloom
余所見は破門、毒見あとblue
骨折りzombie、草臥れmoment
ちょいとじゃじゃ馬ならし
ジャギーな天使...拳銃
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斜向かいの窓から
気怠げに手を振る
梔子でも剥いたから
一緒に食べましょう
冗談めかした戯言で
黙りたくないのに
私の向こうで
彷徨う視線
暗闇でなぞってその形を見つけて
暗闇で重なってその熱を見つけて...梔子
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独り善がりの大団円がいつも好きだ
初めての記録に一握りの期待を賭けて
華やかな衣装を纏っているね
彫刻の様な顔が確実に歪んでいるね
次の場面を捲れば
予定通り不時着、刹那の愛着、財布に無頓着
着々とぐちゃぐちゃ、着々とぐちゃぐちゃ
合図を見計らっている室内に
心地良い裏切りを
二人きりはだいたい無縁...巾着
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あなたは私に買われた幼虫
家族にさえ隠して育ててる
図鑑に載っている羽根より
美しい姿を見せて
掌に乗せれば怯えて丸まる
掌で包めば忽ち膨らむ
何故か教えて
私に吐露する意図を
濁りきった独白
青い碧の羽根が抜ける...蚕蛾
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遠くへ、裸足だけど遠くへ
少し立ち止まってみても
世界は順調そうに回る
生きる役目を受け取ってからは
四方八方右往左往、あの、その
いちいち傷ついていられなくて
急いで通り過ぎてみたけど
空気抵抗、慎重に緊張
変哲のない咳払いで
吹き飛ばされそうになる...くーきてーこー
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わたしを選んだ私はだれ
浴槽に沈んだ小さな声
いま排水溝に流した
心の強さを褒められても
手放していただけなんだ
生き方の拘りを一つ一つ
私もうcasting, casting, casting
唇からcasting, casting, casting
私そうcasting, casting, ca...casting
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夜明けを待たず彼らは歩き出した
贐の言葉が波間に千切れて
羅針盤に導かれた声と歌えども
眠る歴史を受継いで一巡り
港町の列の方へ倒れる
飄然金羊毛、光る銀子の妙
豊かさに連れ戻されては語る
滔々と
古き英雄の詩を彼女が口遊む時
僕は羊飼いの夢を見ている...金羊毛
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戸惑いが悲しみを招いてから
酷く静かな海辺を彷徨う
あの日になって漸く分かった
記憶をなくしても痛くはない
触覚をちぎられたみたい
血は嘘をつかない
仮令、虚像でも両眼に
残る隈なく君の波紋を
何処ともなく光差して
燦然と太陽が輝いてる...波紋
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あれから、小さな惑星で暮らしているよ
流れ星みたいな光が頭上を通り過ぎた
不条理は理にすると気持ち悪くなるから
ときどき運河に身を委ねた
そうして、意識が途切れた後に
いつか感性を、小さな感銘を
王冠のように授けてくれよ
生きた感傷を、丸めた感想を
野良猫のように撫でてくれよ
手がかりはいつも...tips
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恙無い日々に続きはない
不意に我に返ったみたい
彼等に捕らわれた生命体
誰かを傷つける言葉を持つ代わりに
暗闇からほくそ笑む方がマシでしょ
そんな冷たい手続きに署名するたび
哲学が編集されてしまうのでしょう
wire fire 灰屋は嫌
吐いた愛が黴た
wire fire 毎話埴輪...Wire Fire
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墜落した此処は何処だろう
銀の円盤が視界の端を掠める
今頃、月面でディナーを
駐車違反の自転車と野暮な尋問
「それじゃ月に行けはしないな」
向こう見ずな赤裸々のまま
月の裏側までぶん殴ってやる
頭が悪くなる様なスナック
今夜ぐらい試してみないか
参りました何処にも誰かおらず...unknown funny object
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いつの日にか夢見た場所で幸せになれる
海の底に暮らす人魚姫ならば
日の光に目を細める
だけれども水平線に沈む夕日に
君は目を濡らしていたね
裸足で歩く砂浜に振り返って知る
並んだ足跡の数を
どうにかしてその場限りの恋に溺れてみる
夢と現の波にもまれながら
海をなくした人魚泣かないで...人魚姫
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眩しい繁華街から雨乞い
悲鳴のようなスコールを
もうすぐその涙透き通る
原始時代から管理者不在
踊り場はスパンコールの
抜け殻に古いアルコール
間違いないわ良いビル
不確かな生活だと語る
それは他愛もない唇
なんかいでも良いビル...良いビル
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雪の降らない街へ
電車で息が白くなる朝に
窓ガラスに映る君を見たくなかった
いく宛など僕にも分からない
裸木のように黙る僕らを
大人は訝(いぶか)しんだ
変わらない日々を
手探りで手繰り寄せる
かすりもしない毎日が続いた
容赦なく雪を降らす...雪の降らない街