「楽しみね。」
俺たちはグミとの約束通りニコファ●レの前に来ている。
「グミさんまだなのかな?」
見渡してみると見覚えのある碧髪の女の子がいた。
その女の子はケータイ画面を見て必死に頭を押し付けていた。
しかも何か言っている。
「あの人がグミさん…なわけな…」
「あ、隣のレン君っ!!」
人をとなりの●トロみたいに言わないで欲しい。
「何してたの…?」
「え?画面の中入れないかなって頑張ってたの。つくづく画面が憎い…」
そう言ってケータイ画面を睨む。
ハッキリ言って、超変人だ。
「あ、はいっチケット。あれ、お姉様方?」
「うん、まぁ。」
「あなたがグミちゃんね。私ミク。」
「私は長女のルカよ。」
「ほぇー…。みんな綺麗だね…。あ、此方は妹さん?」
「うん、ユキだよ!そういやここ何なの?」
「リン君っ!?君は知らぬのかね!?この聖地を!!」
口調どうしたんだ…
「聖地?カッカ?」
いや、メッカだろ。
カッカって何だ。
「では教えよう。ここはニコ動という神なる動画投稿サイトが建てたライブハウスなのだ!!」
「ではグミ君。」
「何だね、リン君。」
リン、乗るんじゃない。
「今日は誰が出るのかね?」
「ははーん。良いことを聞くのぅ、お主。今日は───」
これ以上付き合ってられないので。
「ルカ姉、ミク姉、ユキちゃん、会場あっちです。」
「知ってるのね。」
「いや、パソコンで下調べしたので。」
「しっかりしてるわね。そのしっかりさをリンに欲しいわ。」
「で、どっちなんですか。」
「あ、こっちだよ。」
リンはグミがいるから大丈夫だろう。
「グミさん」
「あ、グミでおk!!何?」
「先入るけど…」
「あ、待って!私も知らないから!!」
…はい?
「え、知らないの?」
「だって初めて来たしっ」
「でも誘ったから知ってるのかと…」
「行ったことないのに知ってるレン君の方が変だよ。ま、まさかニコ厨(なかま)…!?」
「違うよ、下調べしたの。」
「ほへー…。偉いねっ」
「ど、どうも…」
「じゃ、行こっ♪レン、案内よろしく!!」
受付を済ませ、俺たちは中に入った。
「広いねー。わっ、何か文字が!!」
「あれはコメントだよ。リアルタイムでニコ動で生放送されるんだよっ」
「すごいわね、ルカ姉。」
「そうね。」
「…涼しいです…」
「席はどこ?」
「んーとね、チケットに書いてあるよっ」
「俺はAー24…」
「私はAー50!!」
「……Aー23です…」
「私たちはAー51、52。」
「んで私がAー49だから、レン君とユキちゃんとは離れちゃうねっ」
明らかに嫌な顔をしたユキ。
「じゃ、終わってからゆっくり語ろうか、レン君っ」
「…遠慮しとく。」
「何でさー」
「ユキちゃん、行こうか。」
「………」
「……」
会話が成り立たない。
というか話せない。
「……あなたは、私と何で家族になりたいのですか?」
「ユキちゃんも初音家の家族でしょ?」
「…そうです。」
「俺、初音家のみんな好きだからさ。」
ミクは借金取りから救ってくれたし、
ルカはいつも料理が美味しい。
リンは気さくで話しやすいし、
ユキは何だかんだ言って初音家を思っている。
「…私、記憶ないんです。」
「…リンから聞いた。」
ライブが始まったらしく、周りは歓声で溢れている。
ステージには男性が1人、歌い始めていた。
とても綺麗な歌声でゆったりしたバラード。
俺たちの話のBGMにはちょうど良かった。
「みんなは必死に記憶喪失の原因を隠しているけれど、聞いてしまったんです。」
ユキは顔を曇らせ、俯いて話した。
「私が殺したのです。」
何も言えなかった。
「私が強盗に抱き付いたりしたからなんです。」
「…強盗…?」
「良くは知らないです。私が強盗に抱き付いたから銃が乱射されて…」
泣いているようだった。
まだ小学生なのにこんなに抱え込んでいたのか。
俺が小学生のときはそんな辛いなどと微塵も感じなかった。
子供は元気に遊ぶのが普通かと思っていた。
そう考えると、ユキは大人だと思う。
「…いいの?俺家族じゃ…」
「他人だからです。」
「え?」
「他人だから、話したのです。家族に言ったら、みんな悲しむです。」
他人と言っても、話してくれるのは嬉しい。
「でも」
少し間を置き、少し照れ臭そうに言った。
「ありがとです…」
「…う、うん。」
俺も微笑んだ。
「で、でも家族じゃないから言わないでです!!」
「分かったよ。あ、1曲目終わったみたいだよ。」
「…みんな立ち上がってるから立ち上がるです。」
「そうだね。」
2曲目はポップなノリのいい曲。
歌手も変わり、ダンサーが出てきた。
「楽しい歌です。」
「だね。」
全曲歌い終わったらしいので、俺たちは席を立つ。
結構楽しかった。
「どうだった!?レン君っ」
「良かったよ。ね、ユキちゃん。」
「はい。」
「あれ?え?ユキが…」
「さて、帰りましょうか。夕飯何がいいかしら。」
「ニンジンスープ!!」
「え、何でグミさんが答えるの…」
「ニンジン好きだから!あとグミでおk!」
「何ならグミちゃんもご飯食べに来たらどうかしら。」
「え!?でも迷惑じゃ…」
「いいねそれ!どうせなら楽しい方がいいし!!」
「俺も別に…」
「…レン君って優しいんだね!女みたいだけd」
「言わないで。」
「じゃあそうしましょうか。」
「わーっ!!」
ニンジンスープを見て目を輝かせるグミ。
「レン兄、麦茶取ってです。」
「あ、うん。って…え!?今レン兄って…」
「うるさいです。早く取ってです。」
「ど、どうぞ。」
家族と認めてくれた。
これ以上の喜びはない。
「…いつの間にあの2人…ねぇ、リン。」
「ミク姉、逆に聞きたいんだけど…」
「グミさん、」
「グミでおk!何?」
「夜道で大丈夫?」
「心配してくれるんだ、やっぱ優しいねっ!おんn」
「2度目も言わないで。送ってく?」
「リンも行くーっ!!」
「ありがとねーっ」
「楽しかったしお礼!」
リンとグミの家の前。
結構オシャレな外見だ。
失礼だが初音家とは似ても似付かない。
「んじゃ、また明日学校で!!」
「うん。」
そう言ってグミは家の中へ入っていった。
「レン、いつの間にユキとあんなに仲良く?」
「あれは…。!!!?」
急に後ろから何かが抱き付いてきた。
背負い投げで回避したが俺は男だ。
リンが何か驚いている。
「あ…」
続く。
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ayumin
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魔熊
ご意見・ご感想
ユキがレンを「家族」と認めた!! 良かった!
ツンデレなユキ可愛い。
グミのキャラが暴走してるww
レンに抱きついたの誰だ!?
私は「1」だと思うww
2011/08/29 20:07:03