深夜の編集作業って、時々、自分でも不思議になる瞬間があります。
タイムラインには、カット途中の映像。
並びきっていない字幕。
まだ色も整っていない素材たち。
本来なら“未完成”のはずなのに、なぜかその途中の状態が一番美しく見える夜があるんです。
モニターの光だけが静かに部屋を照らしていて、外の音はほとんど聞こえない。
キーボードを叩く音だけが、小さく浮かんでいる。
そんな時間にふと昔撮った映像を見返すことがあります。
夕方の駅前。
逆光の横顔。
誰かが笑う瞬間。
本番前に緊張していた表情。
編集を進めるために開いたはずなのにその一瞬の光だけに心を持っていかれることがあるんですよね。
映像って不思議です。
“残そう”と思って撮ったものより、何気なく回していた数秒の方が後から大事な記憶になったりする。
たぶん人の感情って完璧な構図ではなく、その時の空気に宿るんだと思います。
ショート動画の世界はとにかくスピードが速いです。
次の流行、次の演出、次のテンポ。
でもその流れの中でも僕は“あとから見返したくなる映像”を作りたいと思っています。
派手じゃなくてもいい。
再生数だけじゃなくてもいい。
誰かの記憶の片隅に、小さく残り続ける映像。
編集をしているとタイムラインの中に、自分自身の感情まで並んでいく感覚があります。
あの日の迷い。
焦り。
嬉しかった言葉。
静かな達成感。
全部映像の光の中に少しずつ残っていく。
だからたぶん僕は今も動画を作り続けているんだと思います。
書きかけのタイムラインの上にはまだ完成していない物語が並んでいる。
でもその途中にしか見えない光も、確かにある気がしています。
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