カツカツと足音響かせ
少年は街を歩く
空腹におなかを抑えて
ふらふらと街をさまよう

何かにおう
いいにおい
何のにおい？
おいしそう
おなかすいた

赤に染まる空には目もくれず
怯え逃げる人間ただ食す
少し空腹は満たせど日はくれず
後ろの正面聞こえる声
「ありがとう」

淡々と話を聞いた
少女と街を歩く
盲目の少女は何もわからず
ポタポタと血すら気にせず

不思議だな
落ち着ける
なつかしい？
安らげる
あたたかい

次に太陽空に昇る頃に
僕と同じ、少女は贄となる
「短い間でしたが最後に誰かと
あなたと話せて本当にしあわせでした
ありがとう」

なんだろう
このきもち
足りないな
さみしいな
おなかすいた