へらっと、儚げに笑う君が好きだった。
どんなことでも楽しそうにする君が好きだった。
だから最後も、君の笑顔が見たいな。
仕事が終わり、夕飯のことを思案していたら携帯が鳴った。
表示された番号は見覚えがなかったが、何故か出なければと無意識に思った。
「もしもし、氷山です」
『先生...!?』
「...種田さんの、お母様ですか?」
『はい、そうです、あの、娘が...』
「どうしました?」
『娘が―――リリィが、危篤状態になったんです』
僕は薄暗くなった道路を闇雲に走った。
今日に限って車は車検に出しているし、タクシーなんて待っている時間もない。
1つ良かったことを挙げるならば、ここの学校が目的地の大学病院に近いところだろう。
というか、彼女が越してきた理由がこの大学病院――心臓病治療の国内最先端である――に入院するためだった。
「あの、リリィさんは...!!!」
「先生...今少し落ち着いてきたんですが...」
リリィさんは、この前お見舞いに来た時のようにベットで横になっていた。
前と違うのは、僕が来ても起き上がらずに寝ているところと、そのベッドの周りに大勢の医者がいるところ。
そして、君が嫌だと言った、延命治療をしているところだった。
『先生、あのね、私、無闇な延命治療はして欲しくないなぁ』
『もう一回、起き上がって話せる望みも何もないのに生きていたって、お母さんも先生も、私だってきっと悲しい』
『植物みたいになってまで生きたくないから、私にもしものことがあったら―――』
「―――延命治療は、やめて下さい」
「えっ!?先生、何を言っているんですか!?」
お母さんが、ありえないといった顔で僕の方を見た。
もちろん、日本の法律では僕は口を出せない立場にあるから、ここでお母さんが「続けて」と言えば治療は続行される。
だから、事前に貰っていた手紙を、リリィさんの意思をお母さんに渡した。
意思を綴った手紙は、病魔と闘ってる少女とは思えないほどのしっかりした文字で書かれていたらしい。
お母さんはそれを読んで、しきりに涙を流していた。
「延命治療を......止めてくださいっ......」
「......ありがとうございます」
お母さんは絞り出すように言った。
でもその顔は、少し安心したような面影があった。
そして数分もしないうちに、リリィさんは息を引き取った。
三日月が、厚い雲に覆われた時。
彼女の顔は、驚くほどの綺麗な笑顔だった。
「...リリィは、先生のことを信頼していたんですよ」
「そうなんですか?」
「週に一回、お見舞いに来てくれるのを心待ちにしていたみたいで。あの子、学校行ったら先生に毎日会えるんだよねって、治療も頑張っていたんですが...」
「...それは、嬉しいです」
お母さんは泣きながら、リリィさんのことを話してくれた。
僕もそれを聞いて泣きそうになったが、まだ僕には教師としてやらなければいけない事がある。
それが終わるまで、泣いてはいけないと思った。僕を信頼してくれた、笑顔の素敵だった彼女のために。
君の笑顔【連想ゲーム】
テスト(いろんな意味で)終わりましたすぅです。
今回、なんか思いついたのがこれ以外に2つくらいあった気がします。が、これしか頭に残ってませんでした!!!((
正直、しるるさんのと似通ってしまったかなーと...。
あと走ってる描写が薄すぎる!!なんだこれ!!!ごめんなさい!!!!
あとあと、延命治療とか殆ど分かっていないので矛盾とかある気がしますので、ご指摘などあればどんどんお願いします。
それでは。
あ、微妙すぎるから明記しませんがほんのりキヨリリ目指しました←
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