―入院患者のモラトリアム―
モラトリアム中
白の箱庭にて
窓の光
今日も居場所示している
世界中で
自分以外が不在
みたいに感じる
狭い病室の中
点滴液
落ちるのをただ
眺めて1日が終わる
何も分からずに
ここに針と管で繋がる
それに生きる事を
委託して過ごす
時間が動かないな
誰1人もいない
医者すらもいない
でも自由でもない
ただ寝転んで
眠り疲れて
暇を持て余している
外界と乖離して猶予期間も既に分からない
味の薄い食事はいらない、思い出してしまうから
「退院したら
どこか旅行に行こう」
そんな話は
もう聞き飽きたから
面会にはもう来なくて良い
忘れてくれても良い、ほら。
「いきたくないな、」
ついに運ばれたんだ
白い明かりの下で
メスを入れられるんだ
助かりたくないのにな
痛いのも嫌
辛いのも嫌
楽に逝けないのも嫌
我儘ばかりで
治療不可って
事にしておこうぜ
ホスピスへいったあいつは元気にしてるかな
もう一回子供騙しの夢で笑っていれたらな
誰1人もいない
君すらもいない
だからつまらない
ただ寝転んで
眠り疲れて
暇を持て余している
光も無い
希望見えない
そんな未来なら
このままずっと
モラトリアムでいよう
ナースコールはしない
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