「コナ・コーヒーって知ってる?
バニラの香りするコーヒーなんだ。
苦いのが苦手な君だけど、
これなら飲めると思うんだ。

飲みに来る?」

あれ、おかしいな。
僕の予想では、絶対、断られると思ってた。
でも、なぜか、君は
目の前にいて
角砂糖の数を聞いてくる。

ひとくち飲んだら
君の吐息 僕の好きなバニラ
ひとくち含んだら
僕の吐息 君と同じバニラ


「隣に住む子知ってる?
今度告白する予定なんだ。
…ちなみに角部屋だからさ
隣って一人しかいないと思うんだ。

わかってる?」

あれ、なんでだろう。
僕の命令では、口は、動いてたはずだけど。
でも、なぜか、君は
目の前にいて
コーヒーのおかわりをしてくる。

ひとくち飲んだら
僕の言葉 君に伝わらない
ひとくち含んだら
君の気持 僕には見えない


はなす吐息がなくなって
君のカップにもなくなって
メーカーの残りもなくなって
残るは僕のカップに揺れる
ひとくちぶん

僕と君とのバニラのかけ橋
あと
ひとくち


ひとくち飲んだら
君の吐息 消えてしまう
ひとくち含んだら
僕の気持 君に伝えたい


だから どうか

ひとくちぶんの勇気をください。

ねぇ
バニラ。

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  • 非営利目的に限ります
  • 作者の氏名を表示して下さい

ひとくちぶんのゆうき。

さめたコーヒーを一口飲むとなんだか切ない残り香がにじみます。

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投稿日:2011/04/13 15:10:15

文字数:516文字

カテゴリ:歌詞

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