雨音　硝子に　滴　ひとつ伝い落ちる跡を
指先で消して　映る自分に笑い掛ける

遠くで鳴ってる　季節はずれ去年の風鈴と
足元じゃれ付く子猫が　また過ぎし日を呼ぶ

庭に佇む横顔は　何故だか遠くて
淡く滲んだ　花ひとつ　闇に溶けた

花を散らし降る雨はまだ
胸の埋め火を冷やせない
君に流るるは涙雨
砕け舞い落ちる花びらが
いつか土に還るまで
いつか土に還るまで


思い出辿れば　あなたはいつも雨を連れてきた
軒先　拾った子猫と雨宿り　夏の午後

長雨　朧に隠れた月を見上げる瞳が
予感を告げてた　ひとりで目覚めた雪の朝

行き場失くした　この胸に沈んだ想いは
色も香らぬ　風花と　春に溶けた

霞む花嵐　舞い踊れ
夢の通い路を潜り抜け
君が面影の桜鬼
どうか　もう一度抱きしめて
花の下に眠るまで
花の下に眠るまで


途切れた時間の輪を繋いで
二人で歩けなかった季節
一緒に分かち合えたら　きっと……
儚く夢見る　還らぬ永遠


桜　舞い踊る　花吹雪
夢の通い路を潜り抜け
君が面影の桜鬼
どうか　もう一度抱きしめて
花の下に眠るまで
花の下に眠るまで




【以下、読み仮名と文字数】


あまおと　がらすに（8）　しずくひとつ　つたいおちるあとを（15）
ゆびさき　でけして（8）　うつるじぶんに　わらいかける（13）

とおくで　なってる（8）　きせつはずれ　きょねんのふうりんと（15）
あしもと　じゃれつく（8）　こねこが　またすぎしひをよぶ（13）

にわにたたずむ（7）　よこがおは（5）　なぜだかとおくて（8）
あわくにじんだ（7）　はなひとつ（5）　やみにとけた（6）

はなを　ちらしふる　あめはまだ（13）
むねの　うずめびを　ひやせない（13）
きみに　ながるるは　なみだあめ（13）
くだけ　まいおちる　はなびらが（13）
いつかつちにかえるまで（11）
いつかつちにかえるまで（11）


おもいで　たどれば（8）　あなたはいつも　あめをつれてきた（15）
のきさき　ひろった（8）　こねことあまやどり　なつのごご（14）

ながあめ　おぼろに（8）　かくれた　つきをみあげるひとみが（15）
よかんを　つげてた（8）　ひとりで　めざめたゆきのあさ（13）

ゆきばなくした（7）　このむねに（5）　しずんだおもいは（8）
いろもかおらぬ（7）　かざはなと（5）　はるにとけた（6）

かすむ　はなあらし　まいおどれ（13）
ゆめの　かよいじを　くぐりぬけ（13）
きみが　おもかげの　さくらおに（13）
どうか　もういちど　だきしめて（13）
はなのしたにねむるまで（11）
はなのしたにねむるまで（11）


とぎれた　じかんのわをつないで（14）
ふたりで　あるけなかったきせつ（14）
いっしょに　わかちあえたらきっと（14）
はかなく　ゆめみるかえらぬえいえん（16）


さくら　まいおどる　はなふぶき（13）
ゆめの　かよいじを　くぐりぬけ（13）
きみが　おもかげの　さくらおに（13）
どうか　もういちど　だきしめて（13）
はなのしたにねむるまで（11）
はなのしたにねむるまで（11）