※『シャングリラ』シリーズの流れを汲んでいます。
ご存じない方は、先に本編を読んでいただくことをお薦めします。




シャングリラ・ある日のひとコマ⑩


「ちょっと出かけてくる。カイトは留守番な、」
「…何処に行くんですか?」
「んー?街にある行きつけの店に。買い物があるんだ。…カイトは施設内から出すなって、正隆さんに言われてるから、連れてってあげられないんだよね…、ゴメンな?」
「…わかりました、気をつけて行ってきてください、」
「うん、夕方には帰るからね。…じゃ、」
「………、」

「………、」
「………、」

「…あのさ、」
「…はい?」
「………服の裾、放せ、」
「………、」
「目を逸らして誤魔化すな!!…早く放せ、」
「………、」
「………、」
「…今日は、午後から雨が降るそうです、」
「折りたたみ傘は持ってるよ、」
「…篠武さんが先日見逃したドラマ、今日の昼間に再放送があります、」
「え、じゃ、録画予約して行かないと!!」
「…エレベータ、調整中で現在使えないそうです、」
「マジか!?…仕方ない、階段で一階まで行くよ、…うう、ここ十六階…、」
「………、」
「…何?」
「…どうあっても、行くんですか?」
「…どうあっても、行きますよ?」
「…ふぅ。わかりましたよ、お気をつけて、」
「え、溜め息つかれた!!??しかも、何か投げやり!!??」

凄い、カイトがやさぐれた(笑)。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
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シャングリラ・ある日のひとコマ⑩【カイマス】

兄さんは、アビリティ『拗ねる』を覚えた。

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投稿日:2011/05/03 13:21:47

文字数:608文字

カテゴリ:小説

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