ザワザワ ザワザワ


市場は人で溢れかえっていた。その中を少年と少女が人波を掻き分け進んでいく。
「・・・にしても良く許可が得られたな」
「外に出してくれなかったら2階の窓から飛び降りて死んでやる、て言ったら慌てて許可してくれたわ」
「・・・・・・・・・」
「それにしても凄い人ね。市場ってこんなに人が沢山いるの?」
「・・・はぐれない様にな?」
人の波を感心した様に見ている少女に少年が言った。少女は慌てた様に「わっ・・・分かってるわよ!」と小声で叫んだ。フ、と息をつくと少年は パ、と少女の手を取った。
「え?」
「これなら逸れないだろうから・・・」
少年が言うと少女は少し頬を赤らめた後に フ、と笑って「そうね・・・」と応えた。
「て言うか死神も人の体に触れられるのね」
「・・・。まぁ、な。ほとんど人間は気付かないが・・・。特にこう人間が多い所だと例えぶつかったとしても、誰とは気付かずにただ、通り過ぎていく・・・」
そういった少年の横顔を見つめた後、少女は問うた。


「ね、それってさ、  寂しくならない?   誰も自分の事気付いてくれなくて、貴方は寂しくないの?」

「・・・さぁ、どうだろうな」
「どうだろうなって何よそれ・・・。・・・あ」
ピタリ と少女の足が止まり クン と繋いでいた腕が引っ張られた。不思議に思って少年が少女の足が止まった所まで戻り、その目線が向いている方を見た。そこにあったのは可愛らしい、銀で出来た首飾りだった。首飾りは幾つも並んでいたが、少女が特に食い入る様に見ているのは薄い楕円形の銀板が大きいものが1つ、それよりも2回りほど小さいものが左右についている首飾りだった。
「・・・欲しいのか?」
「・・・別に。 ただ 良いな、 て思っただけ」
「・・・・・・」
少年は少しの間黙ってそれを見つめた後、少女の方を向き「買おうか?」と聞いた。
「え!?」
少年の言葉に少女は驚いた。
「・・・金なら問題ないが・・・」
「いや、ちょっと待って。今はお金の事云々は良いからちょっと待って。・・・貴方、死神よね?」
「? あぁ」
「貴方から人の姿は見えるけど人から・・・まぁ、私は別として、 からは見えないんじゃ・・・」
「・・・あぁ、それなら・・・」
少年は少女の言葉を遮ると バッ とローブを広げた。  バサッ と靡いたローブは黒色のそれではなく、薄茶色のものになっていた。
「これなら問題ない・・・」
「・・・・・・」
少女は驚いて少年の方を見ていた。
「・・・どうかしたか?」
「え!? ・・・いや、別にっ!!」
首を傾げた少年に少女は慌てて首をブンブンと横に振った。
「何か・・・始めて顔見るから・・・」
「そう言えばそうだったな」
少年はふと思い出した様にそう言った。そして少しだけローブをいじると
「顔が見えないと店の者は不信がる。これならば旅の者に見えるだろう」
そう言った。少女が「あぁ」と納得した様な声を出すと「それでは店に入るか・・・」と言って店の扉を開いた。「え、あ、待ってよ!」と少女は慌てて少年の後を追った。




―――それからそんなに日が経っていない、ある日。



「ゲホッ ゴホッ」

少女が咳き込むと ポタ、ポタ と血が垂れ落ちた。弱っていく身体。期限が近いのだと改めて思わされる。大人達は気遣って少女に声をかける。

「お嬢様・・・ご無理はなさらずに・・・」
「そうです。安静にしてないと・・・」

少女はそんな大人の言葉を振り払うかの様に首をブンブンと横に振り、強がってこう言った。








「大丈夫」       と。


ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

鎌を持てない死神の話 5

長い・・・とにかく長かった・・・。
何か死神様タラシっぽいけど死神様悪くない。
死神様は鈍感で鈍いだけだ(貶してるじゃねーかよ
・・・ま、色々と理由があるのですが、それは話が進んでから、と言うことで。
文章が下手なので色々アドバイス下さると嬉しいです(←

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閲覧数:543

投稿日:2010/03/17 16:20:58

文字数:1,507文字

カテゴリ:小説

  • コメント1

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  • planetype

    planetype

    ご意見・ご感想

    前作併せて拝見させて頂きました。
    死神さんは人と接触も交流もできるんですね。
    なのに、永遠に人の営みを眺めるだけの存在ですか。。。
    幽霊以下の切なさを感じます。
    個人的にはミクさんの髪型が「一束ね」設定なとこがツボですかね(笑。
    後はルカさんの登場が舞台を如何に動かすのか。
    続編楽しみにしております。今後も頑張ってください。

    2010/03/17 17:27:38

    • lunar

      lunar

      メッセージ有難う御座います・・・!もうホンッと感謝しています!
      そうですね、死神って悲しい存在なのかもしれませんね・・・。
      誰にも気付かれず、ただ人の命の終わりを告げる・・・。切ないって言うのも良く分かります。
      そうですか、深朽のポニテツボりましたか。劉華さんもポニテです。高めに結わえてある(ザ・ネタバレ
      ・・・すいません、ネタバレ書かないと忘れるんです・・・(記憶力悪し
      もうそろそろ中盤?終盤でしょうか。こんな奴の小説で良ければ楽しみにしてやって下さい!!
      乱筆乱文失礼しました。

      2010/03/17 17:58:33

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