ご注意。

ハクとルカが脳内でイチャイチャしてたので形にしました。後悔はしてないけどやっちまったなとは思っている←



百合が苦手な方は回れ右してください。






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 もう年の変わり目が近くなってきた、そんな頃。
 寒い寒いと思ってたら、とうとうこの街にも雪が降り始めた。
 寒さのあまり部屋にこもって、珍しく自分のデビュー曲なんか聞いていた、そんな夜。
 コン、コンコン。
 いつも通りのノックの音。
 私は向き直り、ドアに向かって声を投げた。
「――どうしたの、ハク?」
【Snow Smile】
 案の定、扉を開けて入ってきたのは、幼馴染――弱音ハクだった。
 腰まである、雪色の髪。それを束ねる赤色のリボンは、今は若干くたびれている。
「るぅーかぁー」
「って、また酔っぱ!? もう、飲み過ぎは体に悪いってあれ程――」
 私の言葉を問答無用で遮って。
「んにゅぅ……いいらないのよぉお酒くらいぃ」
 文句を言いながら、ハクが私に向かって倒れこんできた。
「――ちょぁっ!?」
 椅子が全力で悲鳴を上げる中、何とか受け止める。
 重い音をたてて床に転がった一升瓶は、既に空っぽのようだ。私の記憶が確かなら、あれって今日の夕方買ってきたものだったような……?
「ちょ、こら、ハク? 」
「へへぇ。ルカぁ、あったかいー」
 呟き、人の胸に顔を埋めたまま寝に入りはじめる。
 ……相当酔っ払っているようで、息が壮絶に酒臭い。
「ああもう……。こら、ハク。寝るならここじゃなくてベッドで寝なさい?」
「んゅー……」
 謎の鳴き声を上げるハクを引きずり、ベッドへと運び、リボンを解いてあげたところで、
 いきなり抱きしめられた。
「………………へ?」
 硬直。
 顔が熱い。耳が熱い。ハクの体温が、髪の匂いが、頭を真っ白にする。
「るかぁ」
 何も考えられない私と引き換えに、この酔っ払いは。
 人の耳元で、
「あたしはぁ、ルカが頑張り屋さんなこと、知ってうよ?」
 舌足らずな、
 けれど真面目な声で。
「あたしはぁ、ルカの歌が大好きらよぉ?」
 体を離して。
 私の目を、見据えて。
「らからぁ、自信持って?」
 粉雪のような笑顔で、私の心を読み上げる。
「なっ……!?」
 ポカンとした私を置いてけぼりで、ハクが言葉を続ける。
「今回の曲ぅ、ルカの苦手なタイプらもんねぇ?」
「う……そ、そうだけど……」
 長い付き合いだ。曲の好き嫌いも、得意苦手も、ハクにはバレている。
 そして私も、ハクの事はよくわかってる。
 いつも弱音を吐いてばかりだけど。
 いつも文句言ってばかりだけど。
 いつか雪のように消えてしまいそうだけど。
「だいじょうぶらよ、ルカ」
 こういう時のハクは、弱音なんて吐かない。
 こういう時のハクは、消えたりしない。
「おねえちゃんを信じて?」
 雪のような白い髪の、雪みたいに消えそうな彼女は。
 粉雪のような笑顔で、私を包んでくれる。
「……うん。」
 ありがとう、ハクおねえちゃん。
「へへ、いい子いい――」
 ポンポンと後頭部を撫でてくれるハクを、抱き返――
「――……るかぁ」
「うん?」
「……吐きそう」
「はぁっ!?」
 ビニール袋を顔に被せてハクをトイレまで連れて行く時、マスターがリビングで倒れていたのは、また別のお話。

ライセンス

  • 非営利目的に限ります
  • この作品を改変しないで下さい

snow smile

頭の中でルカとハクがイチャイチャしてたので我慢できなくなって書いた。
百合が大好きです。

閲覧数:254

投稿日:2010/12/31 16:58:07

文字数:1,407文字

カテゴリ:小説

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